早くもトレンド入り、発展系変異株は「ミュウツー」に?
ところで、この「ミュー株」。ポケモンキャラクターに似た名前の可愛らしさもあってか、ネット上では早くもトレンド入りした。
「『ミュー』の発展系の変異株は『ミュウツー』になるのか」
などの声も上がっているが、危険性はどのくらいあるのだろうか。
国連(UN)の公式サイト「UNニュース」(9月1日付)「COVID-19: New Mu variant could be more vaccine-resistant」(新型コロナ:新しい変異ウイルス『ミュー』はワクチン耐性がより強い可能性がある)が、WHOが「ミュー株」を「注目すべき変異株」に入れた経緯を、こう伝えている。
「ミュー株は2021年1月にコロンビアで最初に特定され、それ以来、南米とヨーロッパで散発的な発生があった。これまでの新型コロナウイルスの世界的な有病率に占める割合は0.1%未満にすぎないが、コロンビアとエクアドルでは一貫して増加しており、現在、それぞれ約39%と13%を占めるに至っている。コロンビアではミュー株によって、少なくても12万4811人が死亡した。
世界的にデルタ株が席巻するなかで、ほとんどの国でデルタ株以外の亜種(変異株)が高い有病率を示す例はないため、このミュー株の危険性は十分に考慮して調査・追跡されるべきだ。なぜ、南米ではミュー株がデルタ株と『共存』できているのか、突きとめる必要がある」
そしてミュー株の未知の危険性について、こう記した。
「ミュー株には自然免疫を示す遺伝子変異が含まれており、現在のワクチンやモノクローナル抗体治療が、うまく機能しない可能性がある。南アフリカで最初に発見されたベータ株と同様の方法で免疫防御を回避する可能性がある。ミュー株は、現在のワクチンや治療に対してより伝染性、より致命的、またはより耐性があるかどう。か確認するために、さらに研究する必要がある」
いずれにしろわからないことだらけだが、徹底的に追跡調査をする必要があると、強調している。
(福田和郎)