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「週刊エコノミスト」 欧州ではEVが主戦場に

「週刊エコノミスト」2021年9月7日号
「週刊エコノミスト」2021年9月7日号

   「週刊エコノミスト」(2021年9月7日号)の特集は「EV世界戦」。電気自動車の5000万台市場を巡り、米欧中と日本の企業が繰り広げる戦いをリポートしている。

   想定よりも早く2035年にEV販売は5000万台になると予測。出遅れた日本メーカーが追いつく戦略をまとめている。

   なぜ、EV政策がEU(欧州連合)で加速したのか? 遠藤功治(SBI証券企業調査部長)氏は、脱炭素マネーが市場経済を動かす「ゲームチェンジ」があること、環境政策の名を借りた「保護主義」である、と指摘している。いずれにせよ、EUの自動車分野の「主戦場」はEVに完全に決まったと見ている。

   ジャーナリストの土方細秩子氏は、米国で人気のピックアップトラックで脱ガソリンが進み、テスラをGMとフォードが猛追している、と書いている。フォードは「全世界での販売の40%を30年までにEV化」と発表、GMも35年までに全ての乗用車をEV化すると発表した。米国でEV販売の7割近くを占めるテスラのシェアは30年には2割前後になり、EV全体の販売台数は500万台に到達すると予想している。

   中国は35年に新車の50%をEVに、残りをHVなどにとしている。フォルクスワーゲン、ダイムラー、ルノーなどの欧州勢は中国市場に最注力すると見られ、中国の地場企業は国内を開拓するようだ。

   三菱UFJモルガンスタンレー証券シニアアナリストの杉本浩一氏は、日産とホンダの戦略を分析し、「険しい脱ガソリンへの移行、タイミングを誤れば死活問題」と書いている。 また、ジャーナリストの坂上翔氏は、EVはガソリン車より原価が6割高く、将来補助金が減額されれば逆風になると見ている。販売・広告宣伝関連費用を圧縮するため、「オンライン直販」がカギになると見ている。すでに、テスラは広告宣伝費を使わず、クルマを販売店ではなくオンラインで直販する方針を貫いている。

   ダイムラーやボルボもオンライン販売を拡大しようとしている。日本メーカーはディーラーをどうするのか? 直販が常識になった時、幹線道路沿いに自動車ディーラーの販売店が林立する日本の都市の風景も様変わりするかもしれない。

   EV化はそれくらいのインパクトを持っている。(渡辺淳悦)

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