職場の電気料金を少しでも抑えたい――。
そんな事業者の悩みを解決するのが、フルキャストグループのエネクラウド(東京都渋谷区)が展開する「電気削減クラウド」というサービスだ。
電気削減クラウドでは、フルキャストグループが持つ大量のデータベースを武器に、各企業にとっての最安値をシミュレーション。完全成果報酬型で、電気料金が下がったことを確認するまで料金は発生しないという。
エネクラウドの公式サイトには、「想像以上に安くできて驚きました」「非常にわかりやすかったです」といった利用者の声が掲載されている。その成功体験の裏側には、どのような仕掛けが隠されているのだろうか。
2021年8月、エネクラウド代表取締役社長の田嶋義輝さんを取材した。
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エネクラウド社長・田嶋義輝さん(J-CAST撮影)
電気料金の削減率は平均10.2%
電気削減クラウド(旧・電気料金削減サービス)は、エネクラウド(旧・日本電気サービス)が19年2月から提供を開始。21年8月1日に社名とサービス名を改称した。現在では、1649社(21年5月時点)と契約している。
現在、エネクラウドが展開する事業は電気削減クラウドのみ。特別高圧電力・高圧電力を使用する事業者が対象になる。業種としては全体の約8割が工場や倉庫など、電気代がかかる製造業だ。
「基本的に、企業は『相対契約』という電力会社と1対1の契約を結んでいます。まったく同じ条件で電気を使っていても他社と料金が違う、しかもお互いにその条件を知ることができないという状態です。
当社はそれをコンサルティングする立場でデータベース化しているので、『この電気の使い方なら、この単価まで削減可能』という、おおよそのシミュレーションができます」(田嶋さん)
![「電気削減クラウド」のシステム(提供:エネクラウド)](https://www.j-cast.com/kaisha/images/2021/08/kaisha_20210813124600.jpg)
「電気削減クラウド」のシステム(提供:エネクラウド)
シミュレーションで最安値を算出した後は、入札プラットフォーム「ENEBID」を使って、その価格に着地できるよう、顧客へのコンサルティングを行っていく。
「ENEBIDは一度に多くの電力会社から最安値に近い見積もりを取得します。電力会社によって見積もりの見方が違うので、私たちはそれをわかりやすくかみ砕き、お客様が選択できるような形を整えます」(田嶋さん)
契約期間は5年間で、それ以降1年ごとに自動更新される。電気料金の削減率は平均10.2%、なかには最大で40%を超えるケースもある。
実際の例として、月の電気代が約2100万円の大規模工場では、約200万円(削減率9.3%)の削減に成功。また、ある病院では約120万円かかっていたところから約25万円(削減率22.2%)カットしている。