韓国紙「『東京株』登場... 日本は非常事態」と皮肉
この日本由来の新しい「変異ウイルス」、海外メディアの中にはさっそく「東京株」と名付けるところが現れた。韓国の大手紙、中央日報(8月31日付)が「デルタが変異した『東京株』登場...感染者の爆発で日本『非常事態』」という皮肉たっぷりの見出しで、こう伝えた。
「デルタ株がまた変異した。デルタ株の変異株が日本で初めて確認された。 東京医科歯科大学研究チームが、同大学付属病院で診療受けた患者から採取したデルタ株の遺伝子分析を通じて新たな変異株を発見した。研究チームの武内寛明・准教授は『感染が広がると国内でも次々と新たな変異株が出る可能性があるので、なんとか感染を抑える必要がある』と話した」
と危機感を露わにしたうえで、いかにも東京五輪を開催したことが「東京株」の登場に関係があるかのように、こう結んでいる。
「日本は東京五輪以降、新型コロナウイルスの増加傾向が落ち着かないでいる。8月30日、重症患者は18日連続で最多記録を更新している。30日には1万3638人の感染者が新たに報告された。重症感染者は2075人に達する」
東京五輪開催によって多くの外国人が訪れて「ウイルスのカクテル化」が進み、「新型デルタ株」が登場したのかどうかは不明だが、最近、デルタ株の恐ろしさがますます明らかになってきた。
毎日新聞(8月28日付)「デルタ株『感染力最強』 高い細胞への結合力、体内増殖従来の1000倍」が、その怖さをこう伝える。
「『これまで知られた中で、最も感染力の強いウイルスの一つだ』。米疾病対策センター(CDC)のワレンスキ所長は米CNNのインタビューで、デルタ株は新型コロナ以外のウイルスと比較しても、かつてない強い感染力を持つと危機感をあらわにした。
デルタ株はなぜそれほど感染力が強いのか。多くの専門家が着目するのが『L452R』という変異だ。感染する際に、人の細胞表面の受容体に取りつく突起状の『スパイクたんぱく質』にこの変異が生じたことで、細胞への結合力が強まったとみられる。
米国の研究チームが今年6月に発表した論文によると、L452Rの変異があるスパイクたんぱく質と受容体との結合力を実験で確認したところ、『受容体との親和性が従来の2倍高まる可能性がある』との結果が出た。デルタ株は重症化リスクも高めている可能性がある。以前は重症化しづらかった40代や50代の入院患者が目立つようになった」