クックCEO「死ぬ前に全財産を寄付します」
ちなみにSECの書類によると、今週初め(8月23日ごろ)にクック氏が受取人を指名することなく、今回のボーナスの7億5000万ドル(約825億円)とは別に1000万ドル(約11億円)相当のアップル株を慈善団体に寄付したという。
クック氏は、これまで億万長者として取り上げられることはなかった。ブルームバーグによると、現在、クック氏がアップル社から受け取っている給与は年間約1470万ドル(約16億円)で、巨大IT企業の役員クラスとしては低いほうだ。ただし、個人的な資産は昨年(2020年)8月に10億ドル(約1100億円)を超えたという。
クック氏はHIVとエイズ、気候変動、人権、平等などの社会問題に熱心に取り組んでおり、2015年に死ぬ前に全財産を寄付すると公表し、慈善団体に数千万ドルを寄付したことで知られている。
いずれにしろ、7億5000万ドル(約825億円)という破格のボーナスも全額寄付に回りそうだ。
それにしても、米国の企業トップの報酬額の多さには驚くばかりだ。こうしたクック氏の「賞与」のように、日本経済の活性化のために企業トップの報酬を思い切って引き上げ、「成果」に応じた変動制を導入すべきという意見が、日本政府内に上がっている。