毎日の仕事で疲れがなかなか抜けないうえ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の増加や運動不足などから、生活のリズムが崩れてカラダの不調を抱える人が増えている。
最近は、最先端技術を活用して睡眠の質を高める「スリープテック」(睡眠テック)という言葉もある。在宅ワークに伴う眼精疲労や肉体的な疲れを軽減するといった、最新の「快眠グッズ」が続々と登場している。
5人に1人以上が「睡眠の質に満足してない」
医療用品や日用文具などのニチバン(2021年7月発表。全国の20~60代男女500人が対象)の調べによると、コロナ前後で「からだの不調が増えた」と訴えた人は6割で、なかでも「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」が上位を占めていた。
「これらの症状(目の疲れ、疲れ・だるさ、肩こり)は慢性化していて、精神面や仕事・睡眠にも影響を与えているなど、日常の生活にも支障がある人が多い実態がわかった」という。
一方、厚生労働省が2020年10月に発表した「国民健康・栄養調査 最新版 2019(令和元)年」によると、男女ともに5人に1人以上が「睡眠全体の質に満足できなかった」と回答。また「日中、眠気を感じた」とする男性は全体の約32%で、女性はさらに多い約37%にのぼった。
総務省の「2016(平成28)年社会生活基本調査」によると、日本人の睡眠時間は減少傾向にあることが明らかになっており、その睡眠時間は世界で最も短い(経済協力開発機構「Gender Data Portal 2021」調査。日本人の睡眠時間は33か国中、最下位)とされる。
さらに、睡眠不足を原因とした経済的損失は1380億ドル(約15兆円)に達している(米シンクタンク「ランド研究所」の調査研究。2016年11月)といわれる。
そうしたなか、9月3日の「秋の睡眠の日」を前に、「快眠グッズ」が続々と登場している。
きびだんご株式会社(東京都新宿区)は、運営するクラウドファンディングサービス「Kibidango」で、「あらゆる寝姿勢にフィットする超快適まくら『Nuzzle(ナズル)』」のプロジェクトを期間限定(10月14日まで)で開催する。2021年8月19日の発表。
目標金額は55万円。8月26日12時時点で、それを上回る161万1850円が集まり、127人のサポーターを獲得。睡眠に悩む人のニーズをつかんだようだ。
「Nuzzle」は、耐久性の高いナノコイルファイバーの素材と最新技術を駆使して開発された、あらゆる寝姿勢にフィットする革新的なまくらという。2層構造で、高さと硬さを3段階で調節でき、仰向け・横向き・うつ伏せなど、あらゆる寝姿勢に合わせて最適な状態で使える。まくらとカラダの接地面を常時適切な温度に保てるよう設計されている。