正社員の人手不足、再び上昇傾向も二極化か? 宿泊・飲食サービスになお過剰感

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景気「K字回復」で業種ごとに温度差

   業種別にみると、少子高齢化などの影響により職人不足が進む「建設」が57.5%(前年7月比5.6ポイント増、19年7月比10.0ポイント減)と、6割弱が人手不足を感じており、51業種で最も高かった。

   建設業者からは、

「業界内の企業及び職人が不足しているので、受注機会が多い」(一般管工事、長野県)
「2020年の工事の見合わせ物件、雪害の改修工事などで人手不足感がある」(金属製屋根工事、秋田県)

といった声があがった。

   また、「自動車・自動車部品小売」が57.1%、(同10.9ポイント増、同2.9ポイント減)や「輸送用機械・器具製造」は47.3%(同35.2ポイント増、同11.5ポイント増)などと、自動車関連の業種も人手不足感が高かった。なかでも、「輸送用機械・器具製造」は前年7月比で35%超、2019年7月比でも10%を超える大幅な上昇となった。

   さらに、IT人材の不足が目立つ。「情報サービス」は54.7%(同10.2ポイント増、同19.3ポイント減)も高水準での推移が続いている。

   一方で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大きな打撃を受けている「旅館・ホテル」や「飲食サービス」などの業種では、人手の過剰感が依然として高水準にある。

   正社員の人手が「過剰」とする企業を業種別にみると、「旅館・ホテル」が42.5%でトップ。「旅館・ホテル」は1年前の20年7月(57.6%)時点でもトップで、人手過剰感は依然として高水準で推移している。

   また、「医薬品・日用雑貨品小売」やアパレル関連の「繊維・繊維製品・服飾品卸売」「繊維・繊維製品・服飾品製造」、イベントの中止や印刷需要の減退などが響いている「出版・印刷」「広告関連」が上位にあがった。

   企業の景況感は業種によって「K字回復」の様相が強まりつつあり、雇用情勢も業種によって温度差がみられる。

   ちなみに、2021年7月に非正社員が「不足」していると答えた企業(「該当なし/無回答」を除く)は22.5%(前年7月比5.9ポイント増、19年7月比7.3ポイント減)。「適正」と答えた企業は66.5%(同4.3ポイント増、同3.9ポイント増)、「過剰」は11.0%(同10.2ポイント減、同3.3ポイント増)だった。

   なお調査は、2021年7月15日~31日にTDB景気動向調査(2021年7 月調査)とともに実施。全国2万4285社が対象で、有効回答企業数は1万992社(回答率 45.3%)。

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