いよいよ東京パラリンピックが開幕しました。今大会のコンセプトは「WE HAVE WINGS」(私たちには翼がある)で、「勇気を出して翼を広げることで、思わぬ場所に到達できる」という意味が込められているそうです。
このコンセプトを前面に打ち出した開会式が世界中で放映されましたが、海外メディアの評価は上々。東京五輪の開会式と比べても、力強いメッセージが伝わって高評価につながっているようです。
開会式の評価は東京五輪に大きく差をつけた!
2021年8月24日の東京パラリンピック開会式では、多様性のある、さまざまなパフォーマンスが行われました。では、「東京パラリンピックが開会した」は英語でどう伝えればよいのでしょうか?
Tokyo Paralympics start
(東京パラリンピックがスタート)
Tokyo Paralympics opened
(東京パラリンピックが開幕した)
Tokyo 2020 Paralympics begin
(東京パラリンピックが始まる)
上記の3例は、いずれも海外メディアの報道から抜粋しましたが、「start」「open」「begin」といった初級単語を使っていて、ハードルがぐんと下がります。
前置詞「with」を使って、開会式の様子を伝える表現も使えそうです。
Tokyo 2020 Paralympics get under way with powerful opening ceremony
(パワフルな開会式で、東京パラリンピックが始まった:英国BBC放送)
get under way 始まる
Tokyo Paralympics start with glittering and fitting opening ceremony
(輝かしくふさわしい開会式で東京パラリンピックが始まった:インドメディア)
glittering:輝かしい、キラキラしている
fitting:ぴったりの、ふさわしい
「fitting」(フィッティング)は、「フィッティングルーム」などでも使いますが、「ぴったりの」「ふさわしい」という意味の形容詞です。「パラリンピックのコンセプトにぴったりと合った開会式だった」ということでしょう。
開会式をめぐる報道では、他にも「full of colour」(色彩にあふれていた)、「joyous」(喜びに満ちていた)、「inspirational」(心を揺さぶった)と好意的な表現が多勢を占めています。開会式の評価を見る限り、先に行われた東京五輪を大きく引き離しているようです。
金メダルもチャンスも「つかみ取れ!」
開会式に続いて競技が行われていますが、大会金メダル第1号は女子自転車の個人パシュートでオーストラリアのペイジ・グレコ選手が獲得しました。
First Paralympic gold medal goes to Paige Greco of Australia
(パラリンピック金メダル第1号はオーストラリアのペイジ・グレコ選手)
次は、同じニュースでも「grab」を使った表現です。「つかみ取る」という「ガッツ」を感じるので、個人的にはこちらの方が好みです
Australian cyclist Paige Greco grabs first gold of Tokyo Paralympics
(オーストラリアの自転車選手ペイジ・グレコが東京パラリンピック最初の金メダルをつかみ取った)
grab:つかみ取る、自分のものにする
まだ始まったばかりですが、東京パラリンピックについては好意的な報道が多いようです。それでも、新型コロナウイルスの感染が拡大する中での開催や子どもの学校観戦など、問題提起をする報道もありました。
Tokyo 2020 Paralympics begin as Japan's Covid state of emergency is extended
(日本の緊急事態宣言が延長されるなか、東京パラリンピックが始まる:英デイリーメール紙)
Organizers want schoolchildren to attend the event even as the coronavirus Delta variant continues to spread
(運営者は、デルタ株の感染拡大が続いているにも関わらず子どもたちの観戦を望んでいる:ヤフースポーツ)
この先どういった展開になるのか、まったく読めませんが、困難や障害を乗り越えて出場している選手たちに思いを馳せると、開会後に一人でも多くの人が「joyous」(喜びに満ちた)気持ちになる大会になって欲しいと願います。(井津川倫子)