きょうは、50代管理職のRさんです。最近、職場で研修を受けられたそうですね。どんな研修を受けたんですか?
「アンコンシャス・バイアス」という研修で、日本語に訳すと「無意識の偏見」です。相手のために良かれと思ってやっていることも、無意識のうちに「きっと?だろう」と偏見が入っていて......。「昭和」の頭の固さを自分自身でも実感しました。私自身まだ「男性は仕事、女性は家庭」と思っている部分もありますからね。これから仕事だけでなく、日常にも生かしていきたいと思っています。
おじさんが知っておきたい「アンコンシャス・バイアス」とは?
アンコンシャスは無意識、バイアスは偏見。つまりアンコンシャス・バイアスとは「無意識の偏見」のことです。Rさんも研修を受けたように近年、企業で注目されている問題の一つです。
「女性はサポート役」「シニアは仕事をしない」「若者は受け身だ」このようなフレーズもよく目にすると思いますが、これもすべてバイアス、「偏見」です。あらゆるジェンダーや世代で起こりうる問題なので、誰にとっても人ごとではありません。
そして、この無意識の偏見が、会社の業績や日本社会で男女の格差に影響を与えているとされているので、企業も見過ごせない問題になっています。
まずは、自分の中の「アンコンシャス・バイアス」に気づくことからです。Rさんは研修を受けて、どんなことに気づきましたか?
「そうですね。大きな案件や出張が伴う仕事は小さな子供がいる女性には任せられないなあと思って、男性社員に無意識に任せてしまっていることが多かったです。そのほかにも、今の若手は自主性に欠けるとか、管理職同士で話すこともありましたが、これもバイアスですよね。『?だからこうだとか』『?はこれが当たり前とか』、無意識に思いこんでいることがたくさんありました。
良かれと思ってやったことや思い込みで行動したことで、相手のモチベーションを下げてしまったり、チャンスを奪っていたりしてたんじゃないかと反省もしました。以前、海外赴任の案件がありましたが、『女性には厳しいだろうな』と男性の部下を指名したことがありました。優秀な女性部下のチャンスを奪っていたのかもしれませんよね......」
Rさんは研修を通じて、ふだんの生活の中にある「アンコンシャス・バイアス」に気づくことができたということですね。