米ドル売りでがっちり!(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週(8月9日週)の相場
先週は8月11日(水)に米国消費者物価指数発表、12日(木)にイギリス第2四半期GDP(国内総生産)発表がありました。
JETROのビジネス短信によれば、米国消費者物価指数は、前年同月比で5.4%上昇し、前月の発表とほぼ同内容となりました。前月比では0.5%上昇で、前月発表を下回りました。
今回の発表は経済再開とインフレのピークに達したことを示唆しているものの、民間では雇用が回復傾向にあり、インフレ期待値は上昇傾向にあるとのことです。ドル円は、8月11日21時からの1時間足では、最高値1ドル=110.703円、最低値110.395円の大きめの陰線を付け、それまでの上昇トレンドから週末の下降トレンドへの転換点になりました。
12日のイギリス第2四半期GDP発表は、前期比でプラス4.8%、前年比でプラス22.1%となりました。新型コロナウイルスの変異株の影響で落ち込んだ前期・前々期ぶりのプラスとなり、ワクチン接種の拡大の効果がこの結果の要因となったとみられます。
ポンド円は12日15時からの1時間足では、1ポンド=最高値153.143円、最低値153.014円と速報値であることもあり、大きくは動きませんでしたが、その後ポンド円は152.000円をわるまで下落しました。
◆ 今週のトレード
米国消費者物価指数発表時に、ドル円を5lotショート(売り)し、プラス10pips(1pips=0.01円)で利益を確定しました(プラス5000円)。織り込んでいることは視野にはいっていたので、スムーズについて行くことができましたが、やはりどこまで引っ張るべきかが課題となっているかと思います。
8月13日(金)の少し横に動いたところでポンド円を5lotショート(売り)し、現在もホールドしています。8月4日に151.165円を付けているので、そのあたりを利益確定ポイントに据えています。
◆ 来週のトレード
ポンド円を売りでエントリーして越週。週末にかけて円が買われたのか、どの通貨ペアも下落しており、その反発を狙っていきたいと思っています。ドル円だと8月4日の安値1米ドル=108.722円、ユーロ円だと1ユーロ=128.000円あたりを目安にトレードしていこうと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
物価に注目が詰まるなか、15日週に市場をざわつかせたのは米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)でした。予想81.2を大きく下回る70.2となり、コロナ禍後の2020年4月の71.0よりも下回りました。調査対象が速報値300人、確報値500人とブレやすい市場ではあるものの、最近のデルタ株の感染が再拡大やマスク着用のガイドラインの再導入など、若干の制限が復活していることが反映されているとあり、時間が経つにつれリスクオフへと傾くことになりました。地域は違うものの、8月31日に発表される米カンファレンスボード消費者信頼感指数は5000人の調査です。3月以降90から128.9まで数値を切り上げており、この結果が悪ければリスクオフが鮮明になる可能性がありそうです。
前週からの損益 プラス5000円
8月13日現在 122万972円