コロナ禍が加速させた「日本の老化」 若者をサポートし、日本を蘇らせよう!【新型コロナウイルスを知る一冊】

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日本を守る「切り札」5か条

   こうしてクイズ形式の第1部で、コロナ禍がもたらした「人口減少後の社会」を覗き見した後、第2部では「日本を守る『切り札』5か条」を提案している。コロナ禍が浮き彫りにした「社会の老化」を防ぐには、若い世代に期待するしかないという内容だ。

(1)国政選挙に「若者枠」を新設
(2)中学卒業時からの「飛び入学」導入
(3)「30代以下のみが住む都市」の建設
(4)大学を共同キャンパス化する
(5)若い人々に英才教育をする

   大学のオンライン授業など、若い世代を諦めの境地に誘う施策ばかりが導入され、やがて社会の活力は失われると危惧している。高齢者を守ることと若い世代の活動は両立可能だと、河合さんは説いている。

   高齢者への対策ばかりが重んじられ、若者が軽視されたことのツケはいずれ回ってくるかもしれない。それでも河合さんは期待をかけ、若い人への手紙で本書を結んでいる。

「この国が、いまほど若い力を必要とするときはありません。なすべきは、無難さを求める『大人の理屈』に巻き込まれることなく、それぞれの夢や目標にチャレンジを続けることです。自分を信じて失敗を恐れず何度でも立ち向かうことです」

   知らず知らずに我々が若者を遠ざけていたことに気がついた。こんな状況だからこそ、若者に期待する河合さんの発想に頭が下がる思いがした。(渡辺淳悦)

「未来のドリル コロナが見せた日本の弱点」
河合雅司著
講談社
968円(税込)

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