頼りにしていた女性部下が妊娠 「マタハラ」にならない仕事の任せ方はどうする?〈後編〉(前川孝雄)

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日常的な予防を図る(やり方を変える)

(1)マタニティ社員の周辺をケアする

   上司は、出産・子育てに関わる社員の状態に気を配り、適宜適切な支援を行うべきことは言うまでもありませんが、加えて周辺の身近な同僚への配慮も重要です。本人の仕事のフォローや引き継ぎなど、同僚の協力は不可欠ですが、それを上司が当然のごとく指示してはいけません。
本人の状況をメンバーに丁寧に伝え、共感の気持ちを引き出しながら協力を依頼します。また、協力には謝意を表し、協力者の仕事の調整を行います。さらに、本人にも周囲の協力への感謝を表すように促すとよいでしょう。困ったときはお互い様です。
こうした上司の働きかけが、出産・子育てのみならず、それぞれの部下が抱える事情と仕事の両立を互いに思いやれる風土づくりにもつながるのです。

(2)マタニティ・キャリアを積極的に位置づけ支援する

   一方で、上司は、出産・子育て期の社員の強みや持ち味に応じた、チームに貢献できる仕事を整理し直し、制約を自らの創意工夫でも乗り越えられるよう支援することも必要です。業務整理が得意なら業務標準化やマニュアル作成を、情報処理に堪能なら業務のバックアップ情報収集とシェアなど、よりステップアップした役割を共に考えます。
また、後輩社員との相談業務など、昨今ではチャット、オンラインミーティングなど在宅でも十分可能になってきていますから、検討してもよいでしょう。また妊娠中は部下本人の自助努力だけではいかんともしがたい体調変化も起こりますので、こまめに状況を聴きながら臨機応変に対応することも大切です。(前川孝雄)

   ※ 職場のハラスメント予防についてさらに詳しく学びたい方、また職場での研修導入を検討される方は、弊社FeelWorksが開発した「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」をご参照ください。

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