30歳で古書の世界へ飛び込む
髙林さんは30歳になって現役を引退。家業である店を継ぐのは自分の中で、ごく自然なことだったと話す。
「はじめは何もわからない状態。本の包み方から教わりました」
と振り返る。
「市場にでは入札の仕方を学んだり、同じ店主の息子世代で横のつながりを深めたりしました」
そう話す。
野球の世界と古書の世界、何か共通点はあるのか聞くと、
「全然ないですね、まったく違うもの」
とキッパリ。二つの世界を知るからこそ、言い切れるのかもしれない。
本について説明する髙林さんは、すっかり古書店主の顔つきである。髙林さんによると、今は別の職種を経験してから店を継ぐ店主が多いそうだ。
それにしても、とびきりユニークな経歴に思えるのだが、選手時代について話すときのご本人は飄々としていた。(なかざわ とも)