自分の仕事はほとんど誰かから振られたものです。たとえば、営業職なら、決められた=振られた売上目標を達成しなければなりません。担当する会社も「〇〇社を担当してください」と振られることが大半。管理部門なら、上司から「この会議資料をまとめること」と振られているはず。
こうして、振られた仕事で高い成果を出すことで評価が上がり、昇進のきっかけにつながっていきます。だとすれば、「やらされ感が高い仕事ばかりだ」と嘆く人をよく見かけますが、これは働く機会を与えられるということであり、それだけ頼りにされているということ、チャンスを与えられているということです。
「自己アピール」が過ぎると逆効果かも
働く人間にとって、最も恐れなければいけない状況は「仕事を干される」こと。つまり、仕事は「振られてなんぼ」なのです。
では、指示されていない仕事を、自発的にやることはどうなのでしょう?
たとえば、上司に「明日中に会議の資料をまとめておいてくれ」と言われたとします。その仕事に対して、図表を入れて読みやすくしたり、理解しやすい章立てをしたりといった工夫をする人はいるでしょう。これをうまくやれると「できる人」として、高い評価を得ることができます。
しかし、「次の会議に備えて、企画案も作ってみました」と持参したらどうか? 自己アピールの意欲が強すぎ...... と逆効果になるかもしれません。振られる前に仕事を予測して、進めていくのは簡単ではありません。
そんな振られる仕事の中で、自分の人生を左右するようなものも、何気なく含まれていることがあります。あとで後悔しないように、その傾向と対策を知っておきましょう。
仕事が「振られる」パターンは2つ
期待する成果の観点から考えると、振られる仕事は2パターン存在します。
(1) 言った通りにやっててれればいい
(2) 言われてないことまで、考えてやってほしい
(1)の場合には堅実に期待している納期や成果物など把握のために確認を行うべき。それで、しっかりこなしていけばいいでしょう。
一方で、(2)の仕事が振られたとき。これは試されている可能性が高いと言えます。たとえば、上司に代わって会議での報告が振られた。もしかしたら、管理職登用のテストとして仕事が任されているかもしれません。
こうしたときは「任せる」とか「自分で判断してくれればいい」と、フリーハンドが前提条件の仕事で、結果は問わないと補足されたりすることもあります。そういった仕事は自分のキャリアにも影響する可能性があるので、心して取り組みましょう。
ここでやってほしいのは、仕事を振ってきた人物が期待することを読み解くことです。
ふだんから言われていることを思い出してみましょう。積極性とか、創造性とか、丁寧さとか、何かあるはずです。
思いつかないときには「自分が上司に期待されていることって何だと思う」と同僚に尋ねてみたらいいと思います。こうして、みえてきたことを踏まえて、振られた仕事に取り組んでみてください。その仕事のあとに、何かいいことがあるかもしれません。(高城幸司)