東京オリンピックが終わりましたね。「静寂と熱狂」......。今回のオリンピックはいろんな意味で特別でしたし、感動しましたよね。
きょうは、50代のOさんがお見えです。
「オリンピックでは『感謝』という言葉を多く耳にしましたが、ふだん過ごしていると目の前にあることが『当たり前』になっていることが多く、感謝することが減っているなと感じます。スポーツ選手から、たくさん学ぶことがありましたよ」
「当たり前」が増えると「感謝」が減る
オリンピックのインタビューを見ていると、「メダルをとったスゴイ人」なのに、出てくる言葉は「ありがとう」「感謝」の言葉。特に今回のオリンピックは開催までに5年かかったことを含め、コロナ禍での開催だったため、「開催してくださって、ありがとうございました」「多くの人に支えられて感謝しています」という言葉が多く、すごく謙虚な印象でした。
「感謝」はビジネスにおいても大事なことです。しかしビジネスの世界では、立場が上がったり、偉くなったりしていくと、「自分は偉い」と勘違いしてしまって、上からモノを言ったり、マウンティングしてしまったり、謙虚さが足りない人もいれば、通り越して無礼な人もいたりします。「感謝」を忘れやすくなってしまうのです。
目の前の成果は自分のおかげだとなってしまい、「誰かのおかげだ」なんて思わなくなってしまうのでしょう。もちろん、すべての人がそうではありませんが、目の前にあることが「当たり前」になってしまうと「感謝」が減ってしまうことには気をつけたいですね。
スポーツ選手の試合中の態度や、インタビューの発言などを見て、「強くて、性格もよい」と、さらにファンになった人も多いのではないでしょうか。謙虚な態度は人を惹きつけますよね。これは、ビジネスでも同じです。
(1)仕事はできるけど、性格はイマイチ
(2)仕事もできて、性格も思いやりがある
この二つだと、Oさんが一緒に仕事したいと思うのは、どちらですか?
「それは、2の人ですよね」
そうですよね。「この人についていきたい」「この人のためになら頑張りたい」となるはずですよね。
上司と部下の関係性もそうですし、Oさんは部下との関係はいかがでしょうか。部下は上司の振る舞いを見て学ぶことも多いと思います。日ごろから、周りとしっかりコミュニケーションを取っていたり、フォローしていたりすると、いざとなった時にサポートしてくれることもあるでしょう。
役職が上がることで、気持ちや態度が大きくなりがちですが、より謙虚になることが大切ですよね。
目標に向けってやり遂げる力
ところで、通常オリンピックは4年先の目標に向かって努力していきますが、今回はコロナ禍の影響で、例年以上に先々が見通せない中で目標に向かっていくことになりました。
どのスポーツ選手も、「オリンピックに出る」「メダルを獲る」と言葉にした目標に向かって、そこに行けると信じて努力していきます。これまで対戦して、一度も勝ったことがない相手に対して、これまで優勝経験がない経験の中で、努力を重ねてきたわけです。
ビジネスでも、これまで成功したことがないことに挑戦したり、これから独立しようと考えたり、それぞれの目標があると思います。スポーツ選手は、この目標に向かってやり遂げる力がより強いように思います。
あるメダリストのインタビューにありましたが、優勝しているシーン、メダルを獲ったシーン、終わった後の会見のシーンなどを事前に思い描いていたり、想像していたりするそうです。この「自分はできる」と信じる強さもスポーツ選手は人一倍強いのでしょう。
スポーツの世界もビジネスも同じで、「無理だよ」「無謀でしょ」とさまざまなシーンで、周りから言われることはあると思います。しかし、そこで自分を信じて努力を続けた人だけが手にすることができるコト・モノが、その人にとっての金メダルなのではないでしょうか。
Oさんも、これからビジネスやプライベートで成し遂げたいことを、しっかりと思い描いて、ぜひカタチにしていきましょう。(ひろ子ママ)