「人類社会に潜在的な脅威になりうる」
一方、ロイター(8月2日付)「Delta infections among vaccinated likely contagious; Lambda variant shows vaccine resistance in lab」(デルタ株ワクチン接種した人にブレークスルー感染する:一方、ラムダ株は実験室ではワクチン耐性を示した)が、ラムダ株にはワクチンへの抵抗力があり、「人類社会に潜在的な脅威になりうる」と警告している。
ロイターによると、日本の東京大学の研究チームは7月28日、科学論文サイト「バイオアーカイヴ」に、ラムダ株の研究結果を公開した。まだ査読(編集部注:同分野の専門家による評価や検証)を受けていない正式の論文ではないが、ワクチンがウイルスの力を失わせる「中和作用」に抵抗する突然変異がラムダ株から観察された。
また、特定の条件下でラムダ株のほうがデルタ株より感染力が強かったという。ただし、ラムダ株の感染力や、致死率がどの程度かは確認されていない。ロイターの取材に応じた研究チームのメンバーは、
「まだ全世界がラムダ株の危険性を認知できていない。世界保健機関(WHO)は、ラムダ株をデルタ株のように『懸念される変異株』より低いランクの『関心のある変異株』に分類しているが、変更しなければならないだろう」
と警鐘を鳴らしたという。
(福田和郎)