「デルタ株」の大爆発も「一人」の上陸から始まった
新型コロナウイルスの場合、「アリの一穴」という言葉が当てはまる。じつは、現在日本で猛威をふるっている「デルタ株」も、ある特定の人物が持っていたウイルスが全国に拡大したことがわかっている。たった一人の「持ち込み」とはいえ、バカにならないのだ。
NHKニュース(8月6日付)「デルタ株『1つの起点から全国拡大か』 国立感染症研究所が分析」が、こう伝える。
「『デルタ株』について、国立感染症研究所が遺伝子のデータをもとにどう広がったか分析したところ、海外から首都圏に流入した1つの起点から全国に広がったとみられることがわかりました。現在、全国各地に広がっているデルタ株の系統で最も初期のものは、今年5月18日に首都圏で海外渡航歴がない人から検出されたウイルスだったとわかり、さらに調べると、これとよく似たウイルスが4月16日に空港の検疫で見つかっていたということです。海外から流入した1つの起点から首都圏を中心に拡大し、その後、全国規模で拡散したと推定されるとしています。
一方で、ことし5月ごろ関東や関西、中部、九州などで確認されていた、海外から流入したとみられるデルタ株のクラスターの多くは大きな感染拡大につながらず、7月初旬までにはほぼ収まったとみられるということです。国立感染症研究所の脇田隆字所長は、『これまでの国内の流行でも、やはり1つの起点から全国に拡大していて、今回も同じことが起きている可能性がある』と話しています」
(福田和郎)