新型コロナウイルスは空気感染する 間違った対策は無意味だ!【新型コロナウイルスを知る一冊】

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ポリウレタンマスクはまったく役に立たない

   有効な感染対策として、うがい、鼻うがい、口ゆすぎを勧めている。大阪府の吉村洋文知事が発表して話題になったヨード液(イソジン)でのうがいもオススメで、吉村知事は基本的に間違っていなかったという。

   西村さんを含む世界中の研究者が、ヨウ素液を使った新型コロナウイルスの不活化実証実験で、その有効性を確認している。西村さんが勤務する仙台医療センターの歯科口腔外科では、受診者にヨードのうがい液を使ってゆっくり30秒間ほどかけて口ゆすぎをしてもらっている。職員の感染は一つも起きていないそうだ。

   空気感染を防ぐ有効な対策の一つがマスクだ。西村さんの研究室で6種類のマスクを使ってエアロゾルの粒子数を測る実験を行った。N95マスク、医療用サージカルマスク、不織布マスクでは除去能力にあまり差がなかった。

   しかし、布マスク、ポリエステルマスクは大きく効果が劣り、ポリウレタンマスクに至ってはまったく効果がなかった。「自分を守るためにはまったく無力で、周囲を守るのにも多分ほとんど役立たないと思われます」と厳しい。使い道として、不織布マスクの密着性を補強するために重ねて使う方法を紹介している。

   このほかにも

・フェイスシールド・マウスシールドでは何も防げない
・風が吹いていて、人が密になっていない戸外ではマスクは不要
・駅の階段など人混みの中では、マスクをしていても走ってはいけない

などの注意点を挙げている。

   空気感染を防ぐことが大切だとわかれば、無意味な対策が見えてくる。手のアルコール消毒は無意味だし、レジのお金の受け渡しに感染リスクはない。

   本書では、いわゆる専門家やテレビのコメンテーターの間違いも数多く指摘している。変異株についても、一般の人達が過剰に怖がって日常生活に支障をきたすのはナンセンスだという。

   必要以上に恐れることはなく、これまでどおり「3密」を避け、換気とマスクをしっかりという基本を守るよう呼び掛けている。多くのコロナウイルス対策の本を読んできたが、もっとも参考になると思った。一読を勧めたい。(渡辺淳悦)

「もうだまされない 新型コロナの大誤解」
西村秀一著
幻冬舎
1430円(税込)

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