マスクをつける! 基本対策が重要
すでに国内でワクチン接種後に900人余りが亡くなっているが、厚生労働省は因果関係が評価できない、としている。メリットのほうが大きいというのだ。
峰さんは、
「もし(ワクチンによる)死者が出たら、ワクチン否定派がいっぱい出てくるでしょうね。そして、その場合は専門知識がある人がいかに説明を尽くしても、とても防戦できないと思っています」
と心配している。
しかし、峰さんはワクチン接種が進んだとしても、感染者の数を増やさないことがますます重要になる、と説いている。本書が発行されたのは2020年12月で、その後の第3波、第4波の感染拡大の前だ。今だったら、ますます感染者を増やさないように力説しているだろう。
「3密」を避ける、換気を心がける、マスクをつける、ソーシャルディスタンスをしっかり保つ、手を洗うという基本的な予防行動を取っていくことこそ、必要十分な行動だと。ワクチンは「神風」だと期待せず、これまでどおりの対策を続けるしかないということだ。(渡辺淳悦)
「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」
峰宗太郎、山中浩之著
日経BP・日本経済新聞出版本部
935円(税込)