インフルエンザのように毎年接種になるかも...
テレビ朝日(8月11日付)「高齢者、接種後半年で抗体が若者の半分に」が、宇都宮市の病院のケースを紹介している。
「栃木県宇都宮市にある病院が新型コロナワクチンを2回接種した職員の3か月後の抗体の量を調査したところ、高齢者の抗体の量が若い世代の半分程度まで減っていることがわかりました。宇都宮病院の研究チームは、ファイザー社製のワクチンを2回接種した20代から70代の病院職員378人について接種から3か月後の抗体の量などを調べました」
すると、すべての世代で時間の経過ともに抗体の量は減っていったが、60歳以上では20代や30代の若い世代より減るスピードが速く、3か月後には若い世代の半分程度となった。この結果を受け、研究チームは、「高齢者は半年おきにワクチンの再接種が必要」という結論に達したという。
医療の専門家は「3回目の接種」についてどうみているのだろうか。テレビ朝日の報道ステーション(8月9日付)で、日本ワクチン学会理事を務める長崎大学大学院の森内浩幸教授に話を聞いている。
――2回の接種でできた抗体は次第に減って、3回目の接種で再び増えるということですが、これはどういった仕組みですか?
森内浩幸教授「免疫系は、記憶のように、一度覚えたことを復習する機会があれば、もっと強い反応を直ちに起こすことができます。ただ、だんだん忘れたころにもう一度復習の機会を設けなければいけません。ワクチンだけでなく、実際に感染した時にも、すぐにこういう反応は起こります。
ただ、その場合には、重症化をふせぐことには間に合っても、感染を防いだり、発病を防いだりするには間に合わないということが起こります。重症化を防ぐためであれば、3回目の接種はそれほど急がなくてもいいですが、発病や感染も防ぐことを目標にするのであれば、抗体量がある程度下がったところで、3回目の接種を検討せざるを得なくなると思います。
――時間が経つと抗体量が減ってくるということは、インフルエンザの予防接種のように、新型コロナのワクチン接種も毎年、必要になってきますか?
森内教授「インフルエンザの場合には、毎年のようにウイルスの姿形が変わってきます。コロナウイルスはインフルエンザほど、簡単に変異するものではありません。インフルエンザのように毎年打たないといけなくなるかは、感染のコントロール如何に関わってくるだろうと思います」
3回目はともかく、毎年は願い下げにしてもらいたいものだ。
(福田和郎)