「ワクチン3回接種」でもデルタ株にとどめを刺せない!「もう感染を抑えるのは不可能だ」と専門家

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決算日に「3回接種」をアピールする製薬大手の狙い

ワクチンは時間がたつにつれ効果が薄れる(写真はイメージ)
ワクチンは時間がたつにつれ効果が薄れる(写真はイメージ)

   しかし、ワクチン開発の製薬大手は、自社のワクチンについて「効果を維持するためには3回目の接種が必要だ」と、相次いで主張し始めている。主要メディアの報道をまとめるとこうだ。

   ファイザーは7月28日、ワクチンの有効率が2回目の接種から1週間~2か月後に96.2%でピークを迎え、4~6か月後には83.7%に下がったとの研究結果を発表した。

   重症化を防止する効果は半年後も高水準だった。同社は効果を持続させるための3回目の追加接種の必要性を含めて「さらに追跡調査を進める必要がある」とした。

   この時に発表した、3回接種することで生まれるデルタ株に対する中和抗体の量がすごい。2回の接種に比べて、最大で100倍になる想定だというのだ。それでも、「3回目の追加接種が絶対に必要だ」と言わないところがミソである。

   ファイザーは同時に決算を発表。今年のワクチンの売上高予想を335億ドル(約3兆7000億円)と従来の260億ドルの予想から大幅に上方修正したのだ。これで3回目の追加接種が行われると、どれだけさらに上方修正することになるか。

   一方、モデルナは8月5日、やはり決算発表の会見の場で、ワクチンの有効性を維持するために3回目の追加接種(ブースター接種)が「冬のシーズンを前に必要になる」との見解を発表した。

   2回目の接種から6か月は有効性が93%になる一方、6か月後からデルタ型などの変異ウイルスに対する「中和抗体」が減少し、予防効果が低下し始めると指摘した。ただし、どのくらい有効率が下がるかは、「追加データを調べて今後発表したい」と、この時は明らかにしなかった。

   その代わり、大々的に発表したのは決算内容だった。2021年4~6月期決算は、売上高が前年同期比65倍の43億ドル(約4790億円)、最終損益が27億ドルの黒字(前年同期は1億1700万ドルの赤字)だった。ワクチンは世界50以上の国・地域で緊急使用などが承認されており、21年には8億~10億回分を生産する計画だという。

   「3回目の接種が必要だ」という背景には、製薬大手の「思惑」もからんでいそうだが、時間が経つと実際にワクチン効果が薄れてくるのは確かなようだ。日本の病院の研究がある。

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