「なぜバトンパスができないのか?」と話題になった国は?
大会の後半は、人気の陸上競技に注目が集まりました。なかでもメダル獲得が期待された陸上男子400メートルリレーの決勝をハラハラしながら見守った人は多かったのではないでしょうか。
残念ながら、第1走者の多田修平選手から第2走者の山県亮太選手にバトンが渡らず、途中棄権に終わってしまいました。
The Japanese team failed to make their first baton pass and did not finish
(日本チームは最初のバトンパスに失敗し、完走できなかった:ジャパンタイムズ紙)
じつは海外メディアは「日本のバトンミス」をほとんど報じていません。むしろ、バトンパスが乱れて決勝進出を果たせなかった米国チームがニュースになっていました。
Why Can't the U.S. Relay Team Figure Out How to Pass a Baton?
(なぜ、米国のリレーチームはバトンパスのやりかたを見つけることができないのか?:米メディア)
陸上競技で圧倒的な強さを誇ってきた米国ですが、今大会は不振ぶりが話題になっていましたが、400メートルリレーでは予選敗退の「大波乱」。さらに、陸上混合4×400メートルリレーでも世界チャンピオンで金メダルの大本命だった米国がバトンパスのミスで失格となったことから、「なぜ米国チームはバトンパスができないのか?」と大ブーイングでした。今大会、「バトンパスと言えば米国」となったようです。
大会の最終日には、男子マラソンが開催されて日本の大迫傑(おおさこ・すぐる)選手が6位入賞を果たしました。
Suguru Osako finished sixth in the men's marathon
(大迫傑選手が男子マラソンで6位となった)
今大会でマラソン競技からの引退を表明していた大迫選手。ゴール後のインタビューで次世代の選手たちにエールを贈る姿は、大きな感動を呼びました。
I think the next generation will be in the medal battle if they do their best. Now it's the younger group's turn
(ベストを尽くしていれば、次の世代はメダル争いに参加できると思う。次は若い世代が活躍する番だ!)
世界を驚愕させる大記録や、大会を象徴する大スターは産まれなかったかもしれませんが、酷暑の中でベストを尽くした選手たちの姿にたくさんのことを学んだ大会でした。(井津川倫子)