「活躍している女性のロールモデルが少なすぎる」
――今回の投稿は、男性が多い現場で「紅一点」の女性の働き方や、女性が働くうえで「容姿」の問題がどう影響しているかなどがからんでいると思います。女性を支援する「しゅふJOB総研」の研究顧問をされていますが、今回のテーマに合うような調査をしたことがありますか。
川上さん「ご質問の趣旨そのものではありませんが、就労志向のある女性を対象に、『女性の管理職比率が低いことについて、女性自身はどう思っているか』を調査したことがあります。
女性の管理職比率が男性に比べて極端に低い理由として、8割以上の人が『結婚や出産をすると管理職として続けづらい雰囲気が職場にあるから』と回答しましたが、次いで多かった理由は『前例となる女性管理職の数が少ないから』です。女性管理職が少なく男性管理職が圧倒的に多い環境が、女性の飛躍にマイナスの影響を及ぼしている可能性があるように見受けられます。
人口の男女比率から考えると、女性管理職の比率は50%が自然な数字だと思います。しかし、活躍している女性管理職のロールモデルが少なすぎるのです。中には明確な根拠もなく女性の能力を軽んじ、女性管理職比率は男性より低くて当然と考える人もいます。もし、職場全体にそのような空気が漂っていた場合、仕事の実力が認められて管理職に登用された女性がいたとしても、『女性だから』とか『容姿端麗だから』といった理由で抜擢されたのではないか、などと邪推されてしまうこともあるかもしれません」
(福田和郎)