携帯事業に投資が膨らむ楽天グループが迎えた正念場 債務返済能力に懸念アリ!?

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政治にはしごを外された?

   政治にはしごを外された格好になった楽天グループは、基地局整備を前倒しで進め、つながりやすさの改善を急ぐが、派手なキャンペーンを打って回線数を増やしても収益に貢献する時期は遅れてくる。2021年1~6月期の携帯事業は、営業赤字が前年同期の2.2倍に相当する1972億円となり、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で好調な電子商取引事業などで稼いだ利益を食い潰している状況で、全社で913億円の営業赤字を計上した。

   そこで楽天グループが望みを託すのは、携帯電話の通信網技術の輸出だ。2021年8月4日には、この技術をドイツの新興通信会社「1&1」に提供すると発表した。1&1社の既存ネットワーク機器の構築を引き継ぎ、モバイルネットワークのパフォーマンス向上を図る。

   楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、以前から通信事業の国内展開と通信網技術の輸出を「両輪」と位置付けており、1&1社は技術提供の第1弾となる。

   ただ、1社だけへの技術提供では携帯事業を支えるには不十分であり、技術の提供先をさらに増やしていく必要がある。そこで楽天グループは、傘下にある関連事業を集約した組織を立ち下げ、外販を本格化させる。

   莫大な先行投資に見合うリターンを「両輪」で稼いでいけるかどうかが、今後の楽天グループの浮沈を左右しそうだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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