2021年8月6日週の暗号通貨市場はイーサリアム(ETH)のアップデートなどが注目されたことで、全体的に堅調に推移。ビットコイン(BTC)価格は前週と比べて上昇した。明治大学の城正人さんは、イーサリアムに注目。推移を見守ったが、取引は見送り。保有するビットコインで含み益を得た。
職業能力開発総合大学校のさっちんさんは多忙のため、取引をお休み。同志社大学のしがないトレーダーさんは、体調不良のため、取引を見送った。
イーサリアムのアップデートに注目(明治大学 城正人さん)
◆ 今週(8月2日週)のニュース
以前の記事でふれたETH(イーサリアム)のアップデートが行われました。今回のアップデートによ送金手数料のうちBase Feeの部分がBurn(消却)されます。したがって増加する一方であったETH(イーサリアム)の総発行量でしたが、増えながらも一部が消却されて減少することとなり、インフレ速度がこれまでより低下しました。
この効果、希少性が高まる効果が期待できます。しかし、要点としては何より、これまで価格の急上昇や急落の伴って大きく変動していた送金手数料であるGas代がより安定して推移していくことが期待されます。
イーサリアムのネットワーク上で稼働するさまざまなアプリを安定的に運用するうえで、Gas代が大きく変動する状況ではシステムを安定稼働させることができませんから、良い影響を与えるといえるのではないでしょうか。
個人的な期待としてGas代が安くなったらいいなと思っていましたが、現状ではアップデート前と比較すると大きな変化は見受けられないようです。
◆ 今週の値動き
今週はETH(イーサリアム)のアップデートなどが注目されたことも影響して、全体的に堅調な相場となりました。しかし、BTC(ビットコイン)価格は前週と比較して4%程度の上昇でした。
しかし、ETHをはじめDOT(ポルカドット)など大型のアルトコインが20%~30%と大きく上昇しており、注目を集めていることがわかります。
◆ 今後の戦略
私の見立てでは、今回のロンドン アップデートの事実売りが起きると思っています。そこで、アップデート後である今回、保有しているETHを売却しようか迷いました。
しかし、この暗号通貨バトルにあたって私は「短期的に売買を繰り返すと手数料負けしてしまうため、長期的な成長も見据えた投資をする」を目標にしてきました。ここで一たん、ロンドン アップデートの事実売りによって価格が下落したとしても、私の購入価格である1800ドルを割り込むことはまずないと思われます。したがって、ここは我慢して継続保有の方向で行きたいと思います。
では、余剰資金として放置されている2755円をどう使うか――。
選択肢としては、二つあります。一つは、Londonアップデートの事実売りによってETH価格が2500以下まで下落した際にETHの買い増し。二つ目は、有望なアルトコインに投資余剰資金への投入です。
現状ではできるだけリスクを低くする作戦を取り、手堅く利益を確保しています。すでに初期の資金である1万円をETHの現評価額が上回っているため、今後はある程度リスクをとったとしても初期投資金額を下回ることは考えづらいでしょう。
したがって、2755円は有望と思われるアルトコインに投資、またはビットコインなどの短期売買資金に振り分けようと思います。
【まとめ】
今回は今後の戦略を考えていきました。ETHへの投資によって、ある程度の利益を確保でき、ある程度リスク許容度を高めることができました。そして、今回きちんと戦略を立てた目的としてPLT(パレットトークン)に対して投資できなかったことがあります。
個人的にPLTはそこそこ上昇するという見立てを立てていました。なぜ買わなかったのか、やはり戦略を立てていなかったことが大きな問題だと思われます。
ただ単にホールド(保有)しておくのではなく、市場環境によって適宜戦略を変えていく重要性というのを実感しました。
今週は取引なし。前週から1990円のプラス(含み益)で、資産残高は1万4707円 (0.035ETH+2755円)。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
過去1か月でビットコインの上昇率は35%ですが、イーサリアムは50%と強い動きが続いています。ロンドンアップデートでは、完了直後に事実売りとなったものの、その後にネットワークの手数料の消却数(バーン) が予想以上の数値に上昇。アップデート後の2時間半で200ETHものバーンとなり、相場は大きく反転しました。
このまま推移すると、イーサリアムの需給は30%改善されることになります。すると、アップデート後の価格から単純に計算するとイーサリアムは39万円まで上昇することになります。コインベースの取引でも、直近はイーサリアムが一番人気となっており、城さんの握力が試される展開となっていますね。
保有する暗号通貨 ビットコイン
前週からの損益 プラス1990円
8月6日現在 1万4707円
◆ 多忙のため、取引をお休みしました(職業大学校 さっちん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月6日現在 1万811円
◆ 体調不良のため、お休みしました(同志社大学 しがないトレーダー)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月6日現在 1万円
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
国内初のIEO(Initial Exchange offering=企業やプロジェクトが暗号資産取引所を通じてデジタルトークンを発行。資金を調達する方法)となったパレットトークンに関して、コメントしておきます。
パレットトークンは、漫画やアニメ、音楽などのエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォーム「Palette」で利用される暗号通貨です。独自のブロックチェーン上で、NFTの購入やチェーンの運用報酬の支払いなどの用途に使うことができます。
話題で過去1年間で市場規模が17倍に成長しているNFT関連の暗号通貨とあって、価格は販売価格の4.05円から一時は90円を超えるなど25倍以上に急騰。時価総額は、8月11日時点でも700億円ほどもあります。時価総額ランキングでも110位前後に位置するなど大成功のIEOとなりました。
日本では、海外に比べて取り扱う暗号通貨の数が著しく少ないことが投資家にとって悩みのタネでしたが、今後は日本から海外に出ていく暗号通貨が増えることを期待したいですね。
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/