東京五輪の後始末が重すぎる! 菅内閣が史上最低支持率、コロナ禍に経済悪化でお先真っ暗

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「緊急事態の経済損失は五輪の経済効果の1.3倍」

金メダルラッシュに沸いた東京五輪。写真は悲願の優勝を果たした侍ジャパン(大会組織員会公式サイトより)
金メダルラッシュに沸いた東京五輪。写真は悲願の優勝を果たした侍ジャパン(大会組織員会公式サイトより)

   東京五輪・パラリンピックの経済効果は、4度目の緊急事態宣言によって相殺され、差し引き5130億円の損失になると試算するのは、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストだ。

   「緊急事態宣言拡大による経済損失は東京五輪の経済効果の1.3倍に」(2021年7月30日付)で、こう述べている。

「(東京都と千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、沖縄県の5府県に8月31日まで出されている)緊急事態宣言によって経済損失は2兆1900億円に膨れ上がる。これは年間のGDPの0.40%に相当し、8万6700人の失業増加をもたらす計算だ。またこれは、7~9月期の実質GDP成長率を年率換算で6.2%押し下げる計算となる。1~3月期に続き4~6月期の実質GDP成長率は2期連続でマイナスとなった後、7~9月期は輸出増加や半導体不足の解消にも助けられ、一時的に年率2ケタの高成長になると当初は予想していた。
しかし、緊急事態宣言の拡大の影響などによって、それは難しくなったと考えられる。7-9月期も年率プラス2~3%程度といった低めの成長にとどまる可能性が高まっている。そして10~12月期には、輸出の増勢鈍化などから成長率はさらに低下しよう」

   そして、東京五輪の経済効果との関連については、こう分析する。

「4回目の緊急事態宣言は東京五輪の開催時期と重なる。(当初)東京五輪・パラリンピックの経済効果は1兆8108億円と試算された。ただし、1都3県及び北海道、福島で無観客開催となったことで、観客のチケット購入や関連消費(交通費、宿泊費など)が減少する。それにより経済効果は合計で1337億円減少し、1兆6771億円になったと試算される。
この数字に基づくと、今回拡大された第4回緊急事態宣言による経済損失は、東京五輪・パラリンピックの経済効果の1.30倍にも達する。大会の経済効果は、緊急事態宣言によって完全に相殺されてしまう計算だ」

   また、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、永濱利廣氏も「東京五輪の経済効果」(2021年8月10日付)というレポートの中で、

「東京五輪を無観客で開催したことでGDPを3000億円押し上げる効果があったが、緊急事態宣言の損失により開催中の効果は逆にマイナスになった可能性がある」

として、こう説明している。

「(完全な形で東京五輪が開催されれば)GDP(国内総生産)の押し上げ額は開開催年だけでも1兆7000億円となる。しかし、無観客開催によりGDPが1兆4000億円失われた可能性がある。そのタイミングで新型コロナウイルスの感染者数の増加が止まらず、緊急事態宣言が発出されたことを加味すれば、五輪開催がその期間中に経済の押し上げにつながったとは限らない。
というのも、今回の緊急事態宣言が経済に及ぼす影響を試算すると、8月末まででGDPを7500億円押し下げると試算される。このため、無観客での東京五輪開催でGDPが3000億円押し上げられたとしても、緊急事態宣言の影響を加味すると、GDPが4500億円押し下げられることになる」

というのだ。

   さらに永濱利廣氏は、

「感染者数が緊急事態宣言の期限の8月末までに十分に減少せず、宣言が9月以降も延長されば、経済損失が拡大する可能性もある」

と警鐘を鳴らしている。

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