最低支持率に主要閣僚「五輪をやったからこの水準だ」
この結果は「東京五輪を成功させて、菅内閣の政権浮揚を目指す」としていた自民党に衝撃を与えた。
テレビ朝日(8月9日付)「菅内閣『支持率28%』危険水域に 五輪開催も...」が、こう伝える。
「最新の世論調査で菅内閣の支持率が30%を割り込みました。東京五輪開幕前、与党内には『開催されればムードが変わる』との期待感もありました。 確かに、朝日新聞の世論調査では『開催してよかった』という声は56%にのぼっています。しかし、菅内閣の支持率は政権維持の『危険水域』に突入しました。注目されるのが来月末に切れる菅総理の自民党総裁任期です。
自民党・二階俊博幹事長:『むしろ、しっかり続投して頂きたいと思う声のほうが国民の間にも強いのではないかと』。二階幹事長は総理以外の立候補をけん制しましたが、すでに野田聖子幹事長代行と高市早苗前総務大臣の2人は出馬に意欲を見せています。一方、去年の総裁選にも出たこの人は...。自民党・岸田文雄元政調会長:『従来通りチャンスがあれば、総裁選挙には挑戦したい。日程が確定すれば、具体的な関わり方を決めたいと思います』」
読売新聞(8月10日付)「五輪で政権浮揚不発 首相の解散戦略に暗雲」は、菅内閣閣僚の冷ややかな声をこう伝える。
「五輪では日本勢のメダルラッシュが起き、大会は混乱なく終わった。しかし、期待された支持率の回復にはつながらなかった。主要閣僚の一人は『五輪をやったからこの水準だった。やっていなかったらもっと下がっていた』と指摘した。別の閣僚は『五輪後はコロナ問題に注目が集まり、支持率はさらに落ちかねない』と危機感をあらわにする」
さらに、菅政権にとって大きなダメージになるかもしれないのが、五輪後の経済状況だ。菅首相の支持率なんかより、国民にとってはよっぽど重要だ。いったい、東京五輪は経済の回復に役に立ったのだろうか――。