2021年8月8日、東京オリンピックが閉幕した。新型コロナウイルスの感染大爆発のなか、日本は史上最多の58個のメダル総数に沸いた。
――「東京五輪は成功した」と、菅義偉首相は思ったはずだった。ところが、五輪閉幕と同時に行われた朝日新聞と読売新聞の世論調査で、菅内閣の支持率は過去最低に転落。それもそのはず。コロナ禍の感染拡大が収まらないばかりか、エコノミストの分析では東京五輪後の経済状況には暗雲が立ち込めているというのだ。
菅首相の再選はお先真っ暗。どうなる、ニッポン!?
7割近く人が「もう首相をやめてくれ」
菅内閣の世論調査の支持率が20%台という「危険水域」に急降下したことを報じるのは、朝日新聞(8月9日付)「内閣支持率28% 発足後最低を更新」である。
「朝日新聞社は8月7、8日に全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は28%と昨年9月の発足以降、初めて3割を切った。不支持率は53%。東京五輪開幕直前の7月調査の支持31%、不支持49%からいずれも悪化した。
五輪開催は『よかった』が56%、『よくなかった』は32%だった」というから、東京五輪の開催自体はそれなりに盛り上がったことになる。
しかし、菅義偉首相が言ってきた「安全、安心の大会」ができたかどうかについて聞くと、「できた」は32%と少なく、「できなかった」が54%と多かった。
五輪期間中の急拡大した新型コロナウイルスの問題が響いたのだ。菅首相のコロナ禍への取り組み姿勢は「信頼できない」が66%に達し、ワクチンを国民に行き渡らせる政府の取り組みも「遅い」が73%で、国民は「完全にアウト」と断じたのだった。
その証拠に、9月末に自民党総裁の任期満了を迎える菅首相に、総裁に再選して首相を続けてほしいかとの問いに、「続けてほしくない」が60%と、「続けてほしい」(25%)を大きく上回ったのだ。
読売新聞の世論調査でも、国民は菅首相に「アウト」を宣告。読売新聞(8月10日付)「内閣支持率、最低更新35%」が、こう伝える。
「菅内閣の支持率は、昨年9月の内閣発足以降の最低を更新した。読売新聞社が8月7~9日に実施した全国世論調査で、菅内閣の支持率は35%となった。これまでの最低は、7月と6月調査の37%だった。不支持率は54%で内閣発足以降最高となった」。
「政党支持率は自民党32%(前回36%)で、菅内閣発足以降最低となった」
読売新聞の調査でも、東京五輪が開催されて「よかったと思う」は64%にのぼり、「思わない」の28%を大きく上回ったから、五輪自体の評価は高かったのだ。
ところが、それがまったく支持に結びつかなかった。こちらでも菅首相にどのくらい首相を続けてほしいかを聞くと、「すぐに交代してほしい」が18%、「今年9月の自民党の総裁任期まで」が48%で、9月の総裁任期までの交代を求める人は計66%に達した。7割近い人が「もう首相をやめてくれ」と言っているわけだ。