コロナ禍での東京オリンピックが2021年8月8日、閉会した。日本選手のメダルラッシュに沸いたものの、一方で変異株の感染拡大が猛威を振るい、株式市場には警戒感が広がっている。ドル円相場も、コロナ禍が米国景気の先行き見通しを左右。ドルは乱高下した。
24日からはパラリンピックが開幕するが、市場のテーマは五輪後の追加経済対策と解散総選挙に移っていく可能性が高い。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 企業決算が好調
日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万8500円
2021年8月6日(金)終値 2万7820円04銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、底堅い動きか。
前週の日経平均株価は、反発した。本格化する企業決算が好調な滑り出しとなっていることが好感された。ただ、新型コロナウイルスの変異種デルタ株を中心に感染拡大に歯止めがかからないことが警戒感となり、日経平均株価は2万7000円台後半では上値の重い展開が続いた。
今週の日経平均株価は、底堅い動きか。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、日経平均の上値が重くなっているものの、本格化を迎えた企業決算で好調な結果が個別物色につながり、日経平均株価の下値を支えている。
東京オリンピックが閉会したことで、市場のテーマは追加経済対策と解散総選挙の動向という政治色の強いものに移っていく可能性が高い。これらに関連した情報には注意が必要だろう。
東京外国為替市場 ドル売り材料は乏しい
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円30銭~111円00銭
2021年8月6日(金)終値 110円25銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。新型コロナウイルスのデルタ株による感染拡大で、米国景気の先行きに対する懸念が強まり、ドルは一時1ドル=108円台後半までドル安・円高に振れたが、週末に発表された7月の米雇用統計の結果が市場予想を上回ったことで、1ドル=110円台前半までドル買い・円売りが進んだ。
今週のドル円相場は、ドルが底堅い動きとなりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大による米国景気の先行き不安は根強いものの、7月の米雇用統計が市場予想を上回るなど、目先の米国景気に対する不安は後退している。
一方で、米国の量的緩和政策が早期に縮小するとの見方も弱まっており、ドル売り材料も乏しい。市場は米国の経済指標に神経質になっていることから、その結果には注意したい。
経済指標は、国内では10日に7月の景気ウォッチャー調査、11日に7月の工作機械受注などが予定されている。13日に8月限オプション取引に係る特別清算指数算出(SQ)。
海外では、9日に中国の7月の消費者物価指数と生産者物価指数、11日に米国の7月の消費者物価指数などが予定されている。
(鷲尾香一)