細かなクラス分け、独特のルール
障がいの種類、程度、運動機能などに応じたクラス分けやルールについても詳しく解説している。たとえば陸上競技・トラックでは、視覚障がいは伴走者が必要なT11、伴走者は必要な場合のみのT12、単独のT13というようにクラス分けされている。数字が小さいほうが障がいの程度は重い。
選手の「目」の代わりになる伴走者は、選手が思い切り走れるように腕の振りも合わせる。T11~13クラスの100メートル世界記録は11秒を切るというから、相当速い。伴走者は選手より先にゴールすると失格になる。
走幅跳びでは、走る方向や踏み切り位置を音で知らせる「コーラー」がいる。その連携がポイントになる。
パラリンピック独特の競技として、ゴールボールなどがある。1チーム3人がアイシェード(目隠し)をして交互にボールを投げ合い、ゴールを狙う。光を遮断するアイシェードの下は公平な条件でプレーするためにアイパッチでまぶたを覆う。
視覚からの情報が遮断されているのに、まるで見えているかのような正確で息の合ったプレーが見られるという。攻撃側は足音を立てずに入れ替わったり、3人が一斉に投球時のステップを踏んだりして相手をかく乱。守備側はボールに内蔵された鈴の音や相手の足音を聞き分け、ボールが来る方向を判断する。トップ選手は50センチ単位で聞き分ける聴力を持つそうだ。ゴール前に3人が体を横にして壁となって失点を防ぐ。
日本は女子が2012年ロンドン大会で史上初の金メダルに輝いた。2016年リオ大会は5位に終わり、今大会は金メダル奪還を狙う。初出場の男子は予選突破を目指す。