企業信用調査の東京商工リサーチが「全国社長の年齢調査」で、社長の高齢化と企業業績の関連性を調べたところ、企業業績は社長の年齢に反比例することがわかった。直近決算で減収企業の社長は60代が48.8%、70代以上も48.1%を占めた。また、赤字企業は70代以上が22.3%で最も多かった。
高齢の社長に業績不振が多い背景には、長期的なビジョンを描けず、設備投資や経営改善の遅れが横たわる、とみている。2021年8月4日の発表。
社長の平均年齢は62.49歳、高齢化進む
調査によると、2020年の全国の社長の平均年齢は62.49歳で、前年から0.33歳伸びた=グラフ参照。調査を開始した2009年以降、19年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいる。
社長の年齢分布をみると、70代以上の構成比は31.8%で、2年連続で最多。前年比1.43ポイント上昇した。60代と40代、30代以下が構成比を落としたなか、50代が2年連続で構成比を上げている。
社長の年齢別に直近の企業業績をみると、「増収」の企業は30代以下で54.2%と最も高く、年齢と反比例する形で70代以上は39.2%と4割を下回った。社長の年齢が70代以上の企業は「赤字」や「連続赤字」の割合が全年代で最も高く、社長の高齢化と業績不振には関連性がうかがえる=下表参照。
また、2020年に休廃業・解散した4万9698社の社長の平均年齢は70.23歳で、初めて70代に達した。生存企業の平均年齢(62.49歳)との差は7.74歳で、前年(7.45歳)より0.29歳広がった。
構成比でみると、70代以上が約6割(59.7%)を占めており、高齢化を理由に事業継続を断念する社長が増えている傾向を示している。