孤独死は「独居老人」だけじゃない! 50代までの現役世代が40%を占める現実(鷲尾香一)

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3か月以上も遺体が発見されないケースも

   孤独死の発生から発見までの日数は、女性の50.1%が3日以内に発見されているのに対して、男性は38.4%と低く、早期発見にはつながっていない。一方で、4~14日で発見されるのは男性29.4%、女性27.9%と大きな差はない。

   15日以上経過して発見されるケースは、男性32.2%、女性22.0%とやはり男性の発見が遅くなっている。中には、発見に90日以上かかるケースも男性1.8%、女性1.4%もある。

   第1発見者は、2020年度は近親者のよる発見がもっとも多かったが、6年間の累計では親族が1005人(24.6%)。友人が591人(14.4%)と近親者による発見は39.0%と低くなっている。

   逆に、6年間の累計では不動産管理会社1012人(24.7%)、福祉関係755人(18.5%)、警察234人(5.7%)と48.9%を占め、職業に関連した発見者が、近親者による発見を上回っている。

   ちなみに他人による発見は、2020年度が20人(2.7%)だったのに対して、6年間の累計では486人(11.9%)と高い。

   2020年度と6年度間の発見者を比較した場合、近親者の割合が2020年度に高まっている要因は、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、単身者入居者とその家族の連絡頻度が高まった結果、近親者の発見につながった可能性もある」と分析している。

   コロナ禍にあっても、孤独死が大きく増加していないことは喜ばしいことではあるが、それでも1000人以上が孤独死をし、3か月以上も発見されない人がいる現実を考えれば、孤独死の防止に対して、よりキメ細かな対策を実施していく必要があるだろう。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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