海外メディアが興奮した日本の新スターは誰?【英語で話す東京五輪 その1】(井津川倫子)

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歴史に残る東京五輪のスターは「演技をしなかった」選手?

   新しいスターが誕生した一方で、金メダル有力候補とされた選手たちの不調ぶりもニュースになりました。なかでも「心の不調」を宣言して競技を棄権した米体操界の「絶対的女王」シモーネ・バイルズ選手には、「勇気ある行動」とその決断を称える声が目立ちました。

Simone Biles saying 'no' at the Tokyo Olympics might be her most powerful performance yet
(シモーネ・バイルズ選手が東京五輪で棄権をしたことは、最も力強いパフォーマンスだった:米メディア)

   金メダルが期待されていたシモーネ選手をめぐっては、五輪開会前から米国の期待を一身に背負っていた感がありました。おそらく事前に仕込んでいたと思われる雑誌のグラビア特集などを始め計画的な露出が増えていましたから、棄権はかなり勇気のいる決断だったことでしょう。背後で大金が動いていた気配を感じました。

   それでも「NOと言っていい」「つらい時は無理をしなくていい」というメッセージを全世界の人々に届けたことで、金メダルを超えるパフォーマンスだったと評価されたのです。

   演技をしないことで、逆に人々の心に残ったシモーネ選手。「東京五輪のスター」として後世に語り継がれることは間違いなさそうです。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「crown」(クラウン)を使った表現です。名詞では「王冠」という意味ですが、今回は動詞としての事例をいくつかお伝えしましょう。

The committee crowned him man of the game.
(委員会は彼に「最優秀選手」の栄冠を与えた)

He was crowned man of the game
(彼は「最優秀選手」の栄冠を与えられた)

She was crowned queen of the flower
(彼女は花の女王に選ばれた)

   「演技をしない」女王が人々の心をつかんだのは、コロナ禍で精神的にダメージを受けていたり、思いどおりにいかない状況だったりする人が多いことの反映でしょう。メダル獲得競争や華やかな式典ではない、本来のスポーツが持つ力を伝えてくれた気がします。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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