コロナ対策を名目にした大盤振る舞いは止まらない
補正予算は原則、緊急性の高い事業に限って計上が認められている。しかし、当初予算に比べ、編成時間が短いため査定が甘くなりがちで、最近は「バラマキ」色が強い事業であふれることが常態化していた。
コロナ禍とはいえ、20年度はこのバラマキ傾向が極まった観がある。たとえば二階俊博・自民党幹事長の肝いりで3次補正に盛り込まれた国土強靱化関連予算は21年度スタート。本来は21年度当初予算に盛り込むべきものだが、3次補正に滑り込ませた。まさに、「歳出拡大」を繰り返す与党への配慮だった。
2021年度当初予算の総額も過去最大の106兆円に肥大化している。ここに使い残した30兆円超が加わった形で、コロナ対策を名目にした大盤振る舞いが止まる気配はない。
「万全のコロナ対策を叫びながら、実際には多くが消費されず、翌年度に繰り越された今回の事態は政府の政策への国民の信頼性を失わせかねない」
財政に詳しい専門家はこう指摘し、
「本来の目的から外れた補正予算の活用方法を含め早急に現状を見直す必要がある」
と、批判している。(ジャーナリスト 白井俊郎)