FX大学対抗戦 Aグループは激戦だ。北海道大学の上田晃史さんは、英ポンド円取引を選択。「4回の取引すべてが真っ赤になってしまった」と、先週(2021年7月19日週)の首位から転落。代わってトップに立ったのが、専修大学のめがねちゃん。取引にあまり時間が割けず、米ドル円をデイトレードで挑戦。チャートパターンを根拠にトレードしたところ、プラスを獲得。日ごろの試行錯誤ぶりが生きた。
米ドル、ユーロ、英ポンドで取引を進めた明治大学の佐野快人さんはユーロで躓いたものの、ポンドでうまくリカバリー。プラスを積み上げた。逆に、慶応義塾大学のトリオネアさんはポンドにやられた。先週にポジションを持った時から「イヤな予感はしていたが、見事に相場に振り回されてしまった」と一歩後退。
「すべての取引で食われた」(北海道大学 上田晃史さん)
◆振り返り(7月26日?30日)
今週は全戦全敗と、非常に苦しい戦いとなりました。
上表は今週(2021年7月26日週)の取引内容です。見てのとおり4回の取引すべてが真っ赤になってしまいました。英ポンド円の取引で、損失の総額は7万1760円。残高は117万8688円にまで減らしてしまう結果となりました。
忙しく、あまりFXに時間を取れなかったために取引回数と取引時間が少なくなっています。だからこそ、ふつうは損失も少なくなるものなのですが、すべての取引で食われてしまいました。
今までと同じボリンジャーバンドとMACDを用いたテクニカル分析によってエントリーの判断をしていたのですが、自己資金でもFXを始めたせいか、「利益を出さないと」という焦りのせいか、リスク許容度が低くなったと感じています。
持ち続けていれば一時的な含み損を抱えても最終的には自分のシナリオにそって動くチャートも多かったですが、リスク許容度の低下のため、すぐに損切りをして(悪いことではないのですが)結果的に全体でのリターンを確保できなかったです。
◆取引のエントリーの例
1分足で見た時1時間ぐらいゆるい下降トレンドを描いていたチャートで順張りのショートポジションを持ちました。ローソク足がヨコヨコの場面でボリンジャーバンドは若干下降ぎみ&縮小中といった具合でした。
途中までは順調だったのですが、22時を過ぎたあたりで材料も特になく、急に上げてしまったので完全に食われてしまい3万円ほどの含み損を抱えたタイミングで、トレンドが切り替わったように感じ損切りしました。
利益を拡大させないという意味での損切りとしては悪くはありませんでしたが、ボリンジャーバンドが狭まっている状態でのポジションは危険だと思いました。というのも、狭まった後にはいつか必ず拡大するもので、その時にはボラティリティが増して、どちらかの方向にトレンドを作ることが多いものです。
そのため、エントリーしたタイミングでは65%ぐらいの勝率かな? なんて甘いことを考えていましたが、実際には勝率は50%の確率で、どちらに行くかわからない場面だったのだと思います。
パチプロやプロギャンブラーなんかもそうですが、勝ち続ける人には秘訣があって、それが期待値を狙い続けるということです。私もそれを見習い、FXにおける期待値の高いタイミングを探っていきたいと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
4連敗していますが、損失は10%以内と一定のリスク管理ができているように見えます。
専業トレーダーになった友人に、FXを始めたばかりの負けている時に、1ポイントエントリーを引き付けるという調整を行った人がいます。当時は、マイナス100~200pipsの負けだったそうです。月間の取引回数はちょうど100回前後。しかし、それを行ってから損益がほぼトントンになったそうです。
また、100万円の資金に対してポジションが大き目ですので、2連敗した次の取引はポジションを半分にするなどのリスク管理を取り入れてみてはいかがでしょうか。
前週からの損益 マイナス7万1760円
7月30日現在 117万8688円
大阪府出身。
ポンド相場に振り回されて損切り(慶応義塾大学 トリオネア)
7月26日(月)
23日(金)に1英ポンド=151.715円で取った売りポジションは、先週から引き続き下の図1のように右肩上がりの細い水色チャネルでの引っ掛けを確認してからエントリーしたものだが、ひとまず紫矢印の付近から下を目指す動きをしてくると予想していたので、広めに損切りを取って様子を見ることにした。
図1 閉場後のポンド円15分足
7月28日(水)
結局、水曜夜に下落する様子をまったく見せなかったので1ポンド=158.858円で損切りした。先週のポジション取りをした時から嫌な予感はしていたが、見事に相場に振り回されてしまった。マイナス11万5120円。
今週は結果的にもイメージとまったく違う動きであったので、損切りして以降は新しいポジションを持たなかった。反省点としても、まだまだ下落トレンドが続くと予想していたので積極的に売りポジションを取っていく姿勢であったが、実際はその逆でほぼ全戻しの形をつくってきた。
後から振り返ってみると落ちる波の勢い的にも戻しが急かつ大きく戻してくるというのは予想してしかるべきであった。
ただ、今回は先週の大勝もあり悪くいえば、調子に乗っていた部分もあったので来週からはより一層気を引きしめてFX大学対抗戦に臨んでいきたいと思う。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
チャネルラインは、チャートを挟んで引くことが基本です。相場が変動するレンジを見つけて、そこに並行して引けるようなポイントを探してみるようにしましょう。
さて、19日に下げた相場は21日に戻ってきました。相場は基本的に下げが早く上昇はゆっくりです。上昇100日下げ3日という相場格言もあったりします。つまり、1日で下げた相場が、ほぼ1日で元に戻るということは、下げたところではバーゲンハントなどの買い手が多く強い相場と見ることができます。そして、ローソク足の期間を変更すれば「下ひげ」になるわけです。
もちろん、毎回的中するとは限りませんが、ポンド円では6月21日と7月9日にも同様の値動きとなっていますので、直近の値動きを参考に判断すると良いかもしれません。
前週からの損益 マイナス11万5120円
7月30日現在 110万5175円
ユーロの失策を英ポンドで取り返し!(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週(7月26日週)の相場
7月29日(木)にFOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表がありました。Bloombergによれば、FOMCはフェデラルファンド金利の目標を0.0%~0.25%で据え置き、新型コロナウイルスの変異株が懸念されるものの、労働市場が好調なことで、米国経済への強力な援助を弱めるとしたとのこと。しかしながら、その時期はまだ今ではなく、10月以降になるとのことです。
参考リンク:「FOMC、テーパリングへと経済は『進展した』-その時期はまだ先」(2021年7月29日付ブルームバーグ)
ドル円は、7月29日3時~4時の1時間足で最高値1ドル=110.285円、最低値109.926円の値幅の広い足を作ったものの、その後は短期のトレンドどおり下げて、週の締めには109.700円あたりになっています。
ユーロ円は、あまりわかりやすいトレンドはなく、7月29日に一時1ユーロ=130.500円を突破したものの、現在は130円近くまで下がっています。
ポンド円は、7月19日週から上昇トレンドを形成していましたが、1時間足の短期移動平均線が長期移動平均線をわるデッドクロスを形成しかけており、トレンドが変わる可能性が大きそうです。
◆ 今週のトレード
【ドル円】
FOMC政策金利発表のタイミングで短期トレードをしてみたものの、値動きが大きく、焦ってしまい、あまり大きな利益は得られませんでした。プラス1340円。
また、その後109.700円でショート(売り)エントリーし、現在まだホールドしています。
【ユーロ円】
7月29日7時時点で27日の高値を超えることができなかったことを理由に、ショート(売り)エントリーしましたが、その後上がってしまい、損切りしました。マイナス1万円。
【ポンド円】
7月28日の1ポンド=152.000円を上に抜けた時点で上昇トレンドの継続とみて、ロング(買い)でエントリーし、152.600で意識されていたので頭打ちと考えて利益を確定しました。プラス3万円。このトレードは月末も近かったので、もっと引っ張ってよかったかと思います。
◆ 来週の戦略
8月2日(月)に米国ISM製造業景気指数発表、3日にRBA(オーストラリア準備銀行=中央銀行)政策金利発表、4日に米国ISM非製造業景気指数発表、5日にはBOE(イングランド銀行=中央銀行)政策金利発表、6日には米国雇用統計発表など多くの指標がでるため、積極的にトレードしていこうと思います。
週明けはポンド円のトレンド転換を狙ってショート(売り)していこうと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
FOMC(米連邦公開市場委員会)はほぼ市場の予想どおりの内容になったかと思います。現状、経済指標やFed要人の発言の相場の反応から、テーパリング(量的緩和の縮小)の開始時期は2021年12月に前倒しされているように感じます。むしろ、いくつかのメディアやアナリストから指摘があるように、住宅市場は非常に好調であり、住宅ローン担保証券(MBS)の購入は縮小どころか打ち切っても良いのではないかと素人ながらに感じています。
8月からは、本格的に家賃の支払い猶予やコロナの給付金などが打ち切られてきますので、Fedや当局としては、そうなった時の経済状況を確認したいという慎重さもあるのかもしれません。
変異株よりも、財政支援無き経済が思わぬ生活困窮者を増加させるかもしれません。その傾向として、8月4日に発表されたADP雇用者数は予想69.5万人を大きく下回る33万人でした。6日の米国雇用統計も同様にしたブレると、思わぬ急落の可能性があるかもしれません。
前週からの損益 プラス2万1340円
7月30日現在 116 万5972円
米ドル円で果敢にデイトレ!(専修大学 めがねちゃん)
こんにちは、めがねちゃんです!
今週(7月26日週)はチャートを見ることのできる時間自体が少なく、取引はデイトレードのUSD/JPY(米ドル円)のみでした。今回はチャートパターンを根拠にトレードしました。4時間足で見たときに逆三尊ができているように見えたのでエントリーして、チャネルの上限を損切りラインとしたので、リスクに対するリワードも良いトレードになりました。プラス58pips(1pips=0.01円相当)。
利益確定はゾーンとして広く見ました。また、結果としては自分が利益確定した場所が一たんの底となり、戻りをつけました。悔しかったのが、以前に急降下からの急上昇を狙ってポジションを保有したこともあり、先のことを考えてエントリーするとこの記事に書いたのに学んだことが思ったより活かせていないですね......。
FXは考えることが多いので、一つに目線を固定してしまうのではなく、「やらない癖」をつけていこうと思います。
今回のトレードは長期足を監視したのではなく、4時間足が主な根拠で1時間足から15分足を主にトレードしていたのですが、今までは方向感を大切にして長い時間ポジションを保有していたのですが、58pipsを1日で獲得できるならそれもよいかと思い直しました。このくらいの値動きなら1日1通貨ペアくらいならありそうですね。
ずうっと先のことまで考えられないということを記事に書いている気がするのですが、対策としてふだんは今の流れ、エントリー根拠、利益確定と損切りを考えているのですが、それに加えて今後どういう動きをしたらこうなりそうというのを考えて併せてメモします。
予測してエントリーするだけよりも、今後の流れとなるとポジションを保有している人たちの気持ちを考えなくてはいけないので難易度上がりそうです。
今週の獲得pips プラス58pips(プラス2万9000円)
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
「やらない癖」という考え方は素晴らしいですね。カジノでは、プレイし続けると負ける、引きが大事といいます。トレードでも近いことがいえます。1年に数回の取引であれば、勝率100%も可能ですし、その確率は上がります。しかし、毎日取引していて高勝率を維持するというのは至難の業です。特に、取引を始めたばかりであれば、無駄な取引を止めて回数を絞ることで、勝率も上がり、その取引に関して考える時間も増えます。また間違っても良いのでエントリーの根拠やその後のシナリオをイメージすることで、適切な損切りができますし、イメージどおりに動いた時に大きく利益を伸ばすことが可能です。トレーダーに必要な考え方を持ち合わせているため、1位への浮上も納得です。
前週からの損益 プラス2万9000円
7月30日現在 119万5585円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/