ユーロの失策を英ポンドで取り返し!(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週(7月26日週)の相場
7月29日(木)にFOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表がありました。Bloombergによれば、FOMCはフェデラルファンド金利の目標を0.0%~0.25%で据え置き、新型コロナウイルスの変異株が懸念されるものの、労働市場が好調なことで、米国経済への強力な援助を弱めるとしたとのこと。しかしながら、その時期はまだ今ではなく、10月以降になるとのことです。
参考リンク:「FOMC、テーパリングへと経済は『進展した』-その時期はまだ先」(2021年7月29日付ブルームバーグ)
ドル円は、7月29日3時~4時の1時間足で最高値1ドル=110.285円、最低値109.926円の値幅の広い足を作ったものの、その後は短期のトレンドどおり下げて、週の締めには109.700円あたりになっています。
ユーロ円は、あまりわかりやすいトレンドはなく、7月29日に一時1ユーロ=130.500円を突破したものの、現在は130円近くまで下がっています。
ポンド円は、7月19日週から上昇トレンドを形成していましたが、1時間足の短期移動平均線が長期移動平均線をわるデッドクロスを形成しかけており、トレンドが変わる可能性が大きそうです。
◆ 今週のトレード
【ドル円】
FOMC政策金利発表のタイミングで短期トレードをしてみたものの、値動きが大きく、焦ってしまい、あまり大きな利益は得られませんでした。プラス1340円。
また、その後109.700円でショート(売り)エントリーし、現在まだホールドしています。
【ユーロ円】
7月29日7時時点で27日の高値を超えることができなかったことを理由に、ショート(売り)エントリーしましたが、その後上がってしまい、損切りしました。マイナス1万円。
【ポンド円】
7月28日の1ポンド=152.000円を上に抜けた時点で上昇トレンドの継続とみて、ロング(買い)でエントリーし、152.600で意識されていたので頭打ちと考えて利益を確定しました。プラス3万円。このトレードは月末も近かったので、もっと引っ張ってよかったかと思います。
◆ 来週の戦略
8月2日(月)に米国ISM製造業景気指数発表、3日にRBA(オーストラリア準備銀行=中央銀行)政策金利発表、4日に米国ISM非製造業景気指数発表、5日にはBOE(イングランド銀行=中央銀行)政策金利発表、6日には米国雇用統計発表など多くの指標がでるため、積極的にトレードしていこうと思います。
週明けはポンド円のトレンド転換を狙ってショート(売り)していこうと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
FOMC(米連邦公開市場委員会)はほぼ市場の予想どおりの内容になったかと思います。現状、経済指標やFed要人の発言の相場の反応から、テーパリング(量的緩和の縮小)の開始時期は2021年12月に前倒しされているように感じます。むしろ、いくつかのメディアやアナリストから指摘があるように、住宅市場は非常に好調であり、住宅ローン担保証券(MBS)の購入は縮小どころか打ち切っても良いのではないかと素人ながらに感じています。
8月からは、本格的に家賃の支払い猶予やコロナの給付金などが打ち切られてきますので、Fedや当局としては、そうなった時の経済状況を確認したいという慎重さもあるのかもしれません。
変異株よりも、財政支援無き経済が思わぬ生活困窮者を増加させるかもしれません。その傾向として、8月4日に発表されたADP雇用者数は予想69.5万人を大きく下回る33万人でした。6日の米国雇用統計も同様にしたブレると、思わぬ急落の可能性があるかもしれません。
前週からの損益 プラス2万1340円
7月30日現在 116 万5972円