ビットコインをはじめ暗号通貨市場が軒並み上昇するなか、「それにあやかって」ビットコインを買い増したのが慶応義塾大学の1028さん。試験などで取引を休んでいたが、相場の上昇気流に乗って戻ってきた。今後の値動きに注目する。
一方、バットとLiskへの投資を狙っていた北海道大学の渡部真人さんは、「今週も買えなかった」と動けず。「投資家としてもよくなかった」と猛省する。「なぜここまで(相場が)上昇しているのか、はっきりとした答えが自分なりに導き出せない」と、かなり迷走しているもよう。がんばれ!
明治大学のakiさんの「暗号通貨のイメージ」は暗号通貨のみならず、「情報」について考えさせられる。必読。多忙なこともあり、取引はお休み。
価格上昇したのに...... 勝負どころ逃す(北海道大学 渡部真人さん)
今週(2021年7月26日週)も買えなかった。そして、そのことをとても後悔している。「リスクをとらないことがリスク」というが、まさにそのとおりで投資家としてもよくなかった。
私が買い時を見極めようとあたふたしているうちに、バットとLisk(リスク)が大きく上昇。さらには、かつて大損失を出したネムまでも大きく上昇しているのである。なんと、バットは8月1日に78.48円まで上昇。Liskは463円まで上昇したのである。そこでリスクを恐れて買わなかった自分に深い反省と深い後悔がこみ上げる。
ちなみに、ネムは18円まで上昇。全体的に上昇しており、他の大学の代表者は大きく利益を上げられただろう。
しかし、言い訳に聞こえるかもしれないが、暗号通貨の相場を読むのはとても難しい。正直なぜここまで上昇しているのか、はっきりとした答えが自分なりに導き出せないのである。
それはすなわち大きく下がったとき、または上昇傾向があった時に買い、そして大きく上がったところで売るという最初の執筆で述べたとおり「投機的」なものであり運の要素が強くなってきてしまう。私はこの暗号通貨バトルを「運比べゲーム」にしたくない。もし、そうなってしまったら、この暗号通貨バトルの原稿は「運勢上昇のために神社に祈祷に行ってきました」とか「ゴミ拾いをして運気を高めます!」という内容になってしまう。
暗号通貨は、株式投資と違ってB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、IR資料など相場予測の情報が少ない(もし有力な情報収集源があるならぜひ教えて欲しい!)。
だから、相場が(少なくとも自分は)読みにくい。しかし運に頼るのではなく、自分なりに相場予測の軸となるものをこれからはなるべく明記していきたい。「なぜビットコインではなくバット」なのかについて根拠を述べるのは難しいが、買い時の根拠を説明するようにはしていきたい。
さて、今週の仮想通貨がなぜこのようにも大きく上昇したのかについて、自分なりに推測してみると、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和によるアメリカのインフレーションによる影響なのではないかと考えている。インフレーションとは通貨の価値が下がることである。
相対的に円やユーロなどは上がることになるが、世界通貨ドル安から仮想通貨に移ったのではないかと思っている。
もう一つの可能性は新興国による暗号通貨の活用である。新型コロナウイルスによる政治的不安や自国通貨安による嫌気から、為替レートに左右されないビットコインへの転換で経済復興を目指しているのではないか。もともとドルに大きく左右する自国貿易の行く末はアメリカ次第というのも不満であっただろう。
銀行口座を持てない人々を金融市場に組み込む狙いもあるだろうが、それこそビットコインの上昇理由にもなり得るので好感材料だろう。
ただ、問題は、通貨発行高はどれほどまでかということである。現在各国の国債発行高はとてつもない量になっているのだが、ビットコインは果たしてうまく対応できるだろうか。行く末が楽しみだ。
それにしても、ここ2週間は大失敗した。暗号通貨投資はいい経験になりそうである。
◆ 児山将のワンポイントアドバイスbr>
Lisk(リスク)は過去1か月で30%以上の上昇と、国内ホワイトリスト入りしてる仮想通貨のなかで一番の上昇率となりました。次いでネムとなっており、見立ては抜群でしたね。
さて、暗号通貨の相場予想の材料が少ないとことですから、そういう時は、誰が売買しているのかという視点で考えてみてはいかがでしょうか。たとえば、ドージコイン(DOGE)を一番動かす材料は恐らくイーロン・マスク氏のツイート内容。次いで米国の掲示板などで取り上げられるかどうかではないでしょうか。そこには、ハッシュレートや利用者数の増加、売買代金などは関係ありません。ツイート一つで平気で10%も変動します。マザーズなどの小型株にも、著名アナリストや雑誌、個人投資家などのコメントで変動することがあるかと思いますが、それに近いと考えてみるとヒントが見つかるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月30日現在 6383円
ビットコインの価格上昇! ここで買い増しを...(慶応義塾大学 1028)
お久しぶりです! 慶應義塾大学の1028です。テストやレポートに追われた結果、なかなか時間が取れず、執筆をお休みすることになってしまい申し訳ございませんでした。今週(7月26日週)からは取引を再開していきます!
◆ 今週の気になったニュース
今週は暗号通貨の大きな値動きがありました。ここ最近、暗号通貨は値下がり傾向にありましたが、徐々に持ち直しているようです。まずは26日(月)、ビットコインの価格が1か月半ぶりに一時4万ドル台に接近するほどの急騰を見せました。
この要因としての目立った出来事はないようですが、損失覚悟のまとまった規模での買い戻しが入ったようです。過去の記事の児山将さんのワンポイントアドバイスで、暗号通貨の値動きは周期的になっているとのご指摘がありましたが、7月も値上がり時期は月末だったようです。
過去の記事でも触れたとおり、暗号通貨は中国やイギリス(投資家保護のため広告排除の動き)などの一部の先進国からは警戒され強い規制を受けている一方で、決済手段としては広く受け入れられつつあります。米アマゾンでは、今年中にもビットコインの受け入れが検討されているようです。特にアマゾンでは関連求人の募集もされているようで、市場拡大が期待されています。
ブロックチェーンとは、取引を半永久的に記録するための分散型の台帳のことであり、いわずと知れたビットコインの基幹技術です。このブロックチェーン技術が発展することによって、消費者は金融機関が提供するさまざまなサービスにアクセスできるわけですね。
2021年には、このブロックチェーン企業への投資額が過去最高となる見通しのようです。ではなぜ、ブロックチェーン企業への投資額が年々増えている傾向にあるのでしょうか――。これまで投資者達が散々苦労してきたように、暗号通貨は値動きこそ非常に激しく扱いが難しいものですが、やはり消費者や企業からの需要が大きく、取引量が過去最大となっているようです。暗号通貨が市場のけん引役として期待されていることがうかがえますね。
◆ 今週の取引
上記のとおり、今週は暗号通貨の価格がここ最近の低迷から持ち直して上昇傾向にあるので、それにあやかってビットコインを1000円分買い増ししました。週末の現在、26日よりも高い価格になっているので、とりあえずOK! 今後の値動きに注目です。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドが2021年1~6月期にブロックチェーン企業に投資した金額は既に70億ドルを超えており、通年ベースでの過去最高を更新しました。このペースが続けば、通年の投資額は146億ドルに達する見通しです。なお、これまでの最高は2018年の45億ドルを大きく上回る。いかに大きなムーブメントが起きているかがわかりますよね。
また、ゴールドマンサックスは、DeFe(分散型金融)などに投資するETF(上場投資信託)を申請したり、シティグループやJPモルガンなどの多くのメガバンクが暗号通貨の管理サービスに乗り出したりと、劇的な変化が起こっていることは確かです。
保有する暗号通貨 ビットコイン
前週からの損益 プラス2円
7月30日現在 1万7円
正しい情報を手に入れる努力!(明治大学 akiさん)
こんにちは。akiです。
今週(7月26日週)は気になったニュースに加えて、暗号資産についてのイメージについて少し疑問に思ったことがあったので記事にしようと思います。
◆ 「マスターカードが仮想通貨関連企業を支援するプログラムを開始」
米大手決済企業マスターカードが、暗号資産やブロックチェーン関連の企業のスタートアップをサポートするプログラムを発表しました。対象となった、企業は7社。暗号通貨の未来を築くためにデジタルアセットの革新を既存金融につなげることが目的と話しています。
さらに、マスターカードでは仮想打つか決済の本格導入を検討しているとも発表しています。資産ではなく通貨として扱われるようになる未来が近いと感じました。
ここからは、暗号資産のイメージについてです。暗号通貨についての記事を書いていると友人に話すと決まって、
「え、大丈夫なの? それ。」
と言われます。CMで見かけるようになったのもつい最近の話で、金融詐欺によく出てくる言葉であるという認識は根強いとは感じています。彼らの言い分は仕方のないことだと思います。
では、どうなれば「大丈夫」と思うのでしょうか?
国民全員が使っていれば大丈夫でしょうか? 私たちのふだん使っている日本円も他の国の人から見れば「価値の変動するもの」です。
情報が開示されていれば、大丈夫なのでしょうか? 情報を読み解ける力があったとしても、思い込みや個人のバイアスからは逃れられません。
また、開示された情報のすべてに目を通しても、その情報がすべてだというのは誰が保証できるのでしょうか? もちろん、実際に仮想通貨を語った詐欺が存在するのは事実です。
しかし、この事実からは「詐欺行為」=「犯罪」とは言えますが、「暗号通貨」≠「犯罪」ではありません。ダイナマイトのように、道具は使い方次第で良くも悪くもなります。
私は記事を書く機会を頂き、考えるきっかけをもらいました。縁のない人にとっては、他人から聞いた話でイメージを作り、完結してしまいます。もしかすると、そのイメージをさらに人へ伝えているかもしれません。良い情報と悪い情報とでは悪い情報のほうが伝播しやすく、残り続けます。
結局のところ、何が正しいかと決めるのは個人の問題であると思います。イメージで判断する人を全否定するつもりはありませんし、実際に私もイメージで判断する面が少なからず存在すると思います。ですが、今回のことで一層正しい情報を集めようとする努力をしようと考えました。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
投資のイメージはもちろん、暗号資産となると良いイメージを持っていない人もたくさんいます。人によっては大規模なハッキングをされたイメージが強く、その後のニュースを知らない人もかなりいます。今年3月ごろに、投資全般の人にアンケートを取ったところ、まだビットコインは100万円くらいだという人が3割もいました。投資家層でも追いついていないのですから、一般層であれば仕方ありません。
筆者の経験上のイメージを一新する方法としては、(1)価格が2018年の高値を超えたことを伝えること(2)テスラが投資していたり、GMOグループなどが関連ビジネスをしているというような、知名度のある人や企業と絡めて説明することです。大手がやってるといえば、何となく安心するものです。
ブロックチェーンに紐づく暗号通貨は、インターネットに次ぐ革命と言われていますので、正しい知識が広まると良いですね。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月31日現在 9325円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/