イーサリアム(ETH)を保有する明治大学の城正人さんは、今週(2021年7月26日週)にあった日本初のIEOに注目。成功の背景に堅調に推移する暗号通貨市場があると指摘。イーサリアムも一気に上昇した。「今後の上昇にも期待が持てます」と保有を続ける。
ビットコインをウォッチし続ける職業能力開発総合大学校のさっちんは、取引を見送り。価格が1BTC=440万円まで回復したところで、「取引する難易度が上昇した」と判断した。同志社大学のしがないトレーダーさんは、高値圏にあるビットコインに注目。そろそろ「レンジ相場は終わりと考える。来週4万3000ドルを超えることがあれば、本格的に取引を開始したい」と、気合を入れる。
日本初IEO無事開始 成功の背景に堅調な市場(明治大学 城正人さん)
【今週のニュース&出来事】
今週(7月26日週)は、日本初のIEO(Initial Exchange offering=取引所を仲介してトークンの取引をする仕組み)があり、パレットトークンの取引が開始されました。システムトラブルもあり取引開始は延期されたのですが、無事29日取引開始しました。
PLT(パレットトークン)は6.5円を初値に急上昇し44円の高値をつけた後20円?30円のレンジで推移する相場へと移行しました。
私の見立てでは、そのままゆったりと推移すると考えていたのですが、その後90円近くまで上昇している状況となっています。
総発行枚数は10億枚ですから、時価総額はおよそ900億円となっています。日本初のIEOということで、期待半分不安半分で考えていましたが、とりあえず初回の価格形成はIEO価格の20倍以上となり、大成功といえるでしょう。
今年中に何度かIEOがあるようなので、次回からのIEOにも期待が持てますね。
さて、今回のIEOの価格形成が成功裏に終わった要因としては堅調に推移する暗号通貨市場があります。たとえば 投資しているETH(イーサリアム)をみると、ここ数か月上下を繰り返しながら順調にジリ下げを続けていました。
その後、私の投資価格付近である1800ドル台を維持し、いわゆる「ダブルボトム」を形成し一気に上昇をはじめました。ここ最近のレンジ相場にはみられなかったほどの珍しい上昇を見せており、今後の上昇にも期待が持てます。
他の銘柄にも資金が流入しており、市場全体が活況になりつつあるともいえます。しかし、1年の中で相対的に相場が弱いとされる「夏枯れ相場」でどこまでチャレンジできるか注目です。
【株式市場とビットコイン】
昨年からテスラをはじめ、さまざまな企業がビットコインへの投資を表明し、さらなるビットコインの価格上昇の原因となっていました。今回は株式投資家のみなさまにも役立つよう。ビットコイン関連銘柄の中でもビットコイン価格に大きな影響を受けている銘柄を紹介します。
・MSTR(マイクロストラテジー)
10万枚およそ43億ドルのビットコインを保有、企業の時価総額は約61億ドル。1BTC(ビットコイン)あたりの平均取得価格は約26000ドル。
・MARA(マラソン・デジタル・ホールディングス)
ビットコインマイニングを行う企業。4813枚およそ2億ドル分のビットコイン(BTC)を保有。企業の時価総額は約27.5億ドル。1BTCあたりの平均取得価格は約3万1000ドル。
・RIOT(ライオット・ブロックチェーン)
ビットコインマイニングを行う企業。1175枚およそ5000万ドル分のビットコイン(BTC)を保有。企業の時価総額は約31億ドル。1BTCあたりの平均取得価格は約6100ドル。
最初にご紹介したマイクロストラテジーはビットコインを単純に保有している企業です。保有しているビットコインと比較するとやや割高の時価総額で推移しているためビットコインへの投資目的の方は現物を購入されたほうが良いかもしれません。
一方、ライオットとマラソンについてはマイニングを主な事業として行っており、ビットコインの保有も行っています。マイニング事業とは電気を用いて装置を動かしビットコインを採掘する事業ですから、鉱山株のような性質も持っています。今回はマイニング事業について深堀りはせず、保有しているビットコインで比較するとライオットと比較します。
マラソンとライオットを比較した際、マラソンのほうが購入単価は高いですがより多くのビットコインを保有しています。したがって、今後ビットコイン価格が上昇していくと含み益の伸びは取得単価の高いマラソンのほうが大きく伸びるといえます。もちろん価格が下落すると含み益の減少速度はマラソンの方が早いため注意が必要です。両社のマイニング事業の違いに目を瞑ればマラソンの方が今後の株価の伸びに期待できると言えるかもしれません。
【まとめ】
今回はビットコインに関連する企業についてご紹介してきました。ビットコインマイニング事業は「営業レバレッジ」という効果を利用できるため、ビットコインをただ単に保有するのに比べると値動き、利益の変動が大きくなります。
この効果をうまく利用し、長期で暗号通貨を保有し短期でこういった株式を売買するなどの戦略を取ると税制面的にもメリットが大きいので利用してみてはいかがでしょうか。 取引はなし。
先週から、プラス1562円。資産残高は1万2717円 (0.035ETH=9962円、現金2755円だった。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
2020年の暗号通貨ブームの前から比較すると、ビットコインは7倍、マイクロストラテジーは10倍、しかし。マイニング企業は50~80倍にも急騰しました。ビットコインが上昇すれば利益が出ることはもちろんですが、固定費がほとんど変わらず利益が青天井になる部分が大きいでしょう。
識者によると、2021年1月時点では大手マイナーの損益分岐点は130~150万円とのことでした。ビットコインが300万円であれば、利益率は50%以上という大ヒットゲーム会社さながらのパフォーマンスとなります。電気代や人件費は大きく変わりませんが、重要になるのがマイニングの難易度。これが年初から20%ほど上昇したものの、中国マイナーの移転などにより7月には2020年6月の水準に大きく低下。これが既存マイナーに追い風になることから、決算ではサプライズが期待できるかもしれません。
保有する暗号通貨 イーサリアム(ETH)
前週からの損益 プラス1562円
2021年7月30日現在 1万2717円
ビットコイン「盛り上がる」ための材料乏しく(職業大学校 さっちん)
みなさん、おはようございます。さっちんです。
さて、今回は取引しませんでした。先週(7月19日週)から上昇してきたビットコインの価格は440万円まで復帰しました。現在は盛り上がるための材料も収まり、取引する難易度が上昇したため取引しないことを決断しました。
しかし、来週以降は相場が落ち着いて来そうな感じなので、予想を立てながら取引していきたいと考えています。
今週のなるほどと思った記事は、米バンク・オブ・アメリカがビットコインの法定通貨採用でエルサルバドルにもたらす恩恵について述べていたことです。エルサルバドルの事情なども含まれていて、どこの国でも痛いところはあるのだなと思いました。
簡単にまとめると、少なくともエルサルバドルのGDP(国内総生産)の2.4%が、送金手数料に使われていることから、送金コストの安いビットコインにすることで送金コストを削減できること。
エルサルバドルでは成人人口の70%が銀行口座を持っていないため、現金での決済が主体である。ビットコインの影響で電子決済が普及すれば、金融のデジタル化の促進につながり、消費が加速します。それにより、海外からの投資が加速します。それは大きなお金の流れによって、よりエルサルバドルは豊かになる可能性があると示されていました。
日本はほとんどの人が銀行口座をもっており、日々クレジットカードなどの電子決済をしていますが、それが他国ではふつうでないことを改めて実感しました。
では、また来週!
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
エルサルバドルの法定通貨にビットコイン(BTC)が採用される9月7日まで1か月に迫ってきました。今のところ、ドルを利用する人が大半だそうです。ただ、10%程度はBTCのみを利用するという個人的にはかなり高い結果とだと感じています。
これを背景に国際決済まわりが水面下で大きく動いているようで、バイナンスは欧州から撤退。FTXとバイナンスはレバレッジを20倍にまで引き下げました。トップ同士で何かしらの合意があったのではないかと思うほどの足並みのそろい方ですが、これで大手取引所が規制されるリスクは大きく減ったと思われます。
今後の大きなリスクは、アメリカのインフラ整備法案の財源として、暗号通貨に課税することが浮上していることです。しばらく議論が続きそうですが、10%程度の下押しで早めに高値に戻すことができれば、一過性の悪材料ということで終わりそうです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月30日現在 1万811円
「レンジ相場」の終わりは近い!?(同志社大学 しがないトレーダー)
◆ 今週の気になったニュース
ビットコイン(BTC)はこの2週間、今までの比にならないほどの上昇を見せた。上昇した原因となるニュースをまとめたいと思う。
まず、アマゾンのビットコイン決済年内導入検討との内部情報である。7月26日に英City A.M.紙がアマゾン社に関する関係者の証言として、2021年末までにビットコイン決済を開始することと、早ければ22年にも独自通貨を発行する計画があると報じていたが、ブルームバーグは、アマゾン社側が否定したと報道した。このニュースにより、最初のニュースで暴騰した値幅の半値ほど戻してしまった。
次に、各国から規制を受けているBinance社のCEO(最高経営責任者)であるCZ氏は、各国規制当局と寄り添う姿勢を見せたことが好材料として扱われ、ビットコインは上昇した。またアルファベット、アップル、マイクロソフトの好決済を受けた米国株先物の上昇に連動して6月15日の最高値、4万1000ドルほどまで高騰した。
また30日に、最多の暗号資産の保有量を誇るマイクロストラテジー社は、第2四半期の売り上げが、前年同期比でプラス13.4%で137億円を計上した。それに加え、CEOのマイケル・セイラー氏は今後も引き続きビットコインを購入していく方針を明かし、ビットコインの上昇を後押しした。
◆ 今週の取引
ずうっとレンジ相場だったので、今週も取引はしていない。しかし、ビットコインが6月15日の高値を超えたので、このまま4万3000ドルに到達すれば、レンジ相場は終わりだと考える。そのため、来週4万3000ドルを超えることがあれば、本格的に取引を開始したいと思う。
◆ 今後の考察
ビットコインの4万3000ドルを突破は、来週の材料次第だと考える。8月5日18時半頃に予定されている、イーサリアムのハードフォークによる「ロンドン」アップデートと、米雇用統計が発表される週となっている。ロンドンアップデートはイーサリアム(ETH)が市場の上昇を主導できるかが注目されると考える。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
浮上していたビットコインが週明けに軟調になったので、材料をコメントしておきます。
週末に中国人民銀行から「暗号通貨に厳しい規制を継続」との発表があったものの、相場がほぼ無反応。その後に高値を更新する動きも見せました。しかし、米上院で暗号通貨に課税するインフラ法案の作成が議論され、さらにこれが米国内のマイニングを難しくするとの弁護士のコメントが流れると相場は下げ幅を拡大しました。
さらに、3日にはSEC(米証券取引委員会)のゲンスラー委員長が「暗号通貨市場の成長には規制が必要で、ほとんどがSECの規制対象」とブルームバーグのインタビューで発言したことにより安値を更新し続けることとなりました。
インフラ法案の作成は終了したため、材料出尽くし感もありますが、米国からの悪材料には気を付けておきたいところです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月30日現在 1万円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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