優先権のないエペ 卓球で聞く「チキータ」って?
「優先権」というルールは、フェンシングでも耳にしただろう。よく分からなかったが、以下の本書の説明を読み、理解することが出来た。
「優先権とは、ひと言でいうと『反撃する権利』のこと。相手の剣をたたいたり、先に剣先を相手にむけたり、先にカラダを前進させたりすると、その選手に優先権があたえられる。もし、自分に優先権がないのに相手を突いたとしても、ポイントにはならない」
優先権があるのは、フルーレとサーブルのみで、エペにはない。相手の全身のどこにでも先に突けばポイントになる。
フルーレとサーブルの剣の重さは500グラム以下だが、エペだけは770グラム以下とやや重い。優先権がないので、一発の突きが重要になるため、剣が必然的に重くなった、と解説している。
日本女子の団体戦が決勝に進出した卓球。バックハンドのレシーブをなぜ「チキータ」というのかも、本書を読んで知った。チキータは1990年代にチェコ出身のピーター・コルベルが考案したバックハンドのレシーブ技術で、ひじと手首をつかい、ラケットの先を下から上へ素早く回転させることで、強い回転がかかったボールを打ち返すことができる。その軌道がバナナのように見えるから、バナナの代表的な企業であるチキータと命名されることになったそうだ。
卓球のラケットの色は赤と黒だが、1983年以前はさまざまな色があった。また両面が黒など、選手はどちらの面で返されたのかわからず、ミスが多く、試合が観客にとって面白くなくなった。そのため、同色を禁止し、黒と赤をつかうことを決めたという。
なお、今大会終了後、ラバーの色を自由化することが決まっているそうだ。どんな色のラケットが登場し、どんな影響があるのか興味深い。
このようにオリンピックの33競技、パラリンピックの22競技について、図解付きで解説している。オリンピックは終了した競技も多いが、パラリンピックはこれからだ。パラリンピックの陸上競技は31のクラスにわかれて行われるなど、知らないことが多い。本書で仕入れたうんちくを披露すると、一目置かれること間違いないだろう。
「イラスト図解 オリンピック競技おもしろ大全」
雑学総研著
KADOKAWA
1540円(税込)