次世代技術開発の「トヨタ連合」が5社に拡大 「大動脈から毛細血管まで」物流をカバー

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「トヨタ連合」の狙いはデファクトスタンダード

   共同開発には別のメリットもある。たとえば、クルマ同士を通信で接続する技術は、メーカーを超えて規格を共通化することで有効性が高まる。その技術を活用したソリューションが実用化されれば、ユーザーは共通規格に対応した商用車を優先的に選ぶようになるからだ。商用車は決まったルートを運行することが多く、充電設備のようなインフラの規格共通化も参加企業が多いほど有効になる。

   「トヨタ連合」と呼ばれるのは、トヨタと4社に資本関係があるからだ。ダイハツはトヨタの完全子会社であり、日野はトヨタが50%を保有する。スズキ、いすゞも、それぞれ5%の株式をトヨタが保有している。

   ダイハツとスズキは軽自動車のシェアを巡って激しい販売競争を繰り広げてきたライバルだったが、CASE開発の負担に加え、国内に限定される軽自動車市場の頭打ちが転機となり、トヨタを介して異例の連携が実現した。

   さて、他社が参加する可能性はあるのか――。5社は「オープンに検討」するとのスタンスだが、ここでデファクトスタンダード(業界標準)の規格を定めてしまえば、トヨタ連合の優位は揺るぎないものになる。

   費用がかかるCASE開発を逆手に取ったトヨタの戦略に対して、5社に加わっていない日産・三菱グループやホンダがどのような判断を下すか注目される。(ジャーナリスト 済田経夫)

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