錫の価格が10年ぶりの高値更新 世界第2位の輸出国・マレーシアで起こっていること【馬医金満のマネー通信】

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   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   最近気になっている小さなトレンドに注目してみました。それは錫(すず)の価格の上昇です。錫の価格は2021年5月に、ロンドン金属取引所(LME)相場が10年ぶり高値を更新したのち、上昇を続けています。

マレーシア、コロナ禍のロックダウンで再生産読めず......

   錫の価格上昇の理由は、この春にマレーシア精錬最大手のMSCで溶解炉の操業トラブルが発生し、供給不安が台頭して買われたとみられています。

   さらに、マレーシア政府が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、ロックダウンを再延期したことで、生産が全面停止。溶解炉の操業トラブルからの復旧や精錬所の稼働がさらに遅れる見通しとなったことで本格的な生産再開の時期が読めなくなり、ますます価格が上昇する可能性があるとみられています。

   錫は半導体にも使用されています。これで半導体の供給がさらに滞るかもしれないので、関連する業界はその成り行きに注目してもいると思われます。業界でみると、自動車や通信系とのかかわりが深そうです。

   マレーシアは世界第2位の錫の輸出国。ちなみに、伝統工芸品の「ピューター」は錫が主成分の合金で、ティーカップやポット、マグカップ、花瓶、写真立てなどのさまざまな商品がそろっています。なかでもビアジョッキやタンブラーは、冷たいドリンクを入れると一気にキンキンに冷えるのでオススメ。有名なブランドに、ロイヤルセランゴール社があります。こうした錫製品も値上がりしてしまうのでしょうか......。

   では、また!(馬医金満)

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