ロックダウンが生んだネットスーパーの活況! ドイツでは配達員の待遇めぐる労働争議も勃発(高橋萌)

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ベルリンでGorillas配達員が山猫スト!

本当に12分で来て、野菜の鮮度も大丈夫だった!
本当に12分で来て、野菜の鮮度も大丈夫だった!

   スタートアップの希望の星と目されていたGorillasでは今年2月、6月、そして7月と続けて従業員や配達員による「山猫ストライキ(労組を経由しない従業員の就業拒否)」や店舗の封鎖が複数回実施されています。

   私が経験したように、配達員の多くはEU以外の国から来た若者たちです。彼らはドイツ語をほとんど話せないため、ドイツの労働市場で苦戦を強いられてきたと考えられます。ベルリンの法定最低賃金が9.60ユーロ(2021年7月1日から、約1200円)と定められているなか、Gorillasの配達員の時給は10.50ユーロ(約1300円)です。

   そんな彼らが、Twitter上で「Gorillas Workers Collective(ゴリラ従業員共同体)」を組織し、迅速な給料の支払いや電動自転車の安全性、悪天候にも対応できるレインウェアなどを雇用主に要求しています。

   そして消費者は、このような強硬手段に出るGorillasの従業員を概ね支持しています。つまり、Gorillasが雇用主として魅力的ではないということが、ブランドイメージを著しく低下させています。

Gorillasのリュックサックを背負う配達員
Gorillasのリュックサックを背負う配達員

   ほんの少しの便利のために、誰かの生活を脅かすのは本望ではないのです。その誰かは、自宅まで来てくれる配達員であり、顔の見える彼らが搾取されている現実に消費者は無関心ではいられません。

   利便性や価格という消費者が直接受け取るサービスだけではなく、企業活動が社会に与える影響や持続可能性が、サービスを選ぶポイントの一つになっていることを改めて突きつけている一件。Gorillasは雇用主としてどういう答えを出すのか、今後の動向に引き続き注視していきたいと思います。(高橋萌)

高橋 萌(たかはし・めぐみ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
ドイツ在住ライター
2007年ドイツへ渡り、ドイツ国際平和村で1年間の住み込みボランティア。その後、現地発行の日本語フリーペーパー「ドイツニュースダイジェスト」に勤めた。元編集長。ドイツ大使館ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」を担当。サッカー・ブンデスリーガ大好き。日本人夫とバイリンガル育児に奮闘中。
Twitter: @imim5636
神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
ドイツ在住ライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
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