コロナ禍の働き方として急速に広がったリモートワーク(テレワーク)の影響で、「リモハラ」、リモートハラスメントが社会問題になりつつある。そんなリモハラについて、通信回線やスマートフォンなどの通信インフラサービスを取り扱う株式会社オールコネクト(福井市)が調査したところ、リモハラに悩んでいるのは、部下よりも上司だったことがわかった。2021年7月27日の発表。
「リモハラ」は、リモートワーク時に起こるパワハラやセクハラなどのことで、今、注目されているハラスメントの一つ。「リモハラ対策として何をすればよいかわからず、悩んだことはある?」との問いに、「悩んでいる」と答えた部下が10.0%だったのに対して、上司は40.7%と30ポイント以上の差があった。
「放任でもなく干渉しすぎでもない」コミュニケーションを模索
調査では、上司に「リモートワークで部下とのコミュニケーションで悩んでいること」を聞いたところ、「部下への指示出しのタイミング」と答えた人が48.7%で最も多かった。次いで「部下との距離感」が48.0%だった。「放任でもなく干渉しすぎでもない、絶妙なコミュニケーションの取り方を模索している上司が多いのかもしれません」と、オールコネクトはみている。
また、部下にリモハラだと思われないように最も気を付けていることは、「体型を話題にしない」が52.7%で最多。次いで「髪型やメイクを話題にしない」「部屋全体を映すことを求めない」がそれぞれ51.3%だった。容姿や自宅のことなど、業務外の言動に対して、特に気を付けていることがわかる。
上司の具体的な対策では、
「リモハラだと思われることをインターネットで調べて、それを行わないように気を付ける」(32歳男性)
「すべて相手の判断、自身の管理に任せる」(42歳男性)
「部下に、相談しやすい他部署の先輩を付けておく。その先輩は仕事の話を極力しないようにし、上司のハラスメントがあったら相談するような体制を組む」(43歳男性)
「テレワークを実施・運用する前に匿名で回答する調査を行い、意見を収集した」(47歳男性)
「事務的に対応する」(52歳女性)
「常に訴訟リスクを考える」(53歳男性)
「ふだんの会議はカメラをオフにしている」(57歳男性)
などの声が寄せられていた。
ただ、自分のリモハラ対策が正しいかどうかがわからず、悩んでいる上司もいるかもしれない。