ホロコースト問題まで飛び出した!? 海外メディアが報じる「アウトな東京五輪」(井津川倫子)

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問題炸裂!? コロナ感染拡大、バブル方式に抜け穴......

   そんななか、日本ではあまり報じられていませんが、各国メディアが速報級で伝えたニュースが「五輪中止の可能性」です。国際オリンピック委員会(IOC)総会の会見で、武藤敏郎事務総長が発したひと言が発端でした。

Tokyo 2020 chief does not rule out cancelling Games
(東京五輪のトップが、中止の可能性を除外しなかった:英BBC放送)
rule out:除外する

The head of the Tokyo Olympics has not ruled out a last-minute cancellation of the Games
(東京五輪のトップが、土壇場の中止を否定しなかった:スカイスポーツ)
a last-minute:土壇場の、最後の最後で

   じつはこの発言、日本語のニュアンスとはかなり違う角度で報じられています。海外メディアから、新型コロナウイルスの感染拡大で、開催中での中止や延期の可能性について質問された武藤氏は、「今の段階では感染拡大するかもしれないし、収まるかもしれない。具体的には、そういう状況が出てきた時に考える」と応じています。

   「今は考えない。問題が生じたら検討する」と、お得意の「判断先送り」に取れるこの発言ですが、「中止はあり得ない」と明確に否定しなかったころから、海外メディアは「中止の可能性有り」と報じています。確かに、可能性を示唆しているかもしれません。

   五輪開催地の東京では、新型コロナウイルスの感染が急速に広がっていて、都民は不安な日々を過ごすことになります。さらに、追い討ちをかけるように、五輪対応の交通規制による一般道の渋滞など生活面でも支障が起きています。

   都内にある我が家では、道路混雑により宅急便の配達が翌日にズレ込んだり、通勤電車で五輪関係者らしき外国人の姿を見かけたりするなど、じわじわと「五輪の影響」が顕在化してきました。

   「pull out」(辞任する)「rule out」(除外する)など、最初から最後まで「out」(間違い)だらけの東京五輪。いろんな意味で歴史に残る大会になることは間違いなさそうです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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