先週(2021年7月5日週)に大勝した北海道大学の上田晃史さんは、今週(12日週)はやや後退。「多忙のため、あまりトレードに参加できなかった」という。明治大学の佐野海斗さんは米ドル円を買いでエントリー。「短期的な上昇トレンドの押し目とみた」が反転。損切りの憂き目に......。
そうしたなか、専修大学のめがねちゃんさんが好調をキープ。今週もプラスを重ねるが、本人は自身の取引ぶりに納得がいかず、「方向感のみでは漠然とした自分の感覚のみが根拠になってしまう」と、プラスだったとしても「すごく悔しい気持ちになりました」。
大学の試験期間だったこともあって、しばらく相場に触れるタイミングがなかった慶応義塾大学のトリオネアさんは、久しぶりの取引に英ポンドを選択した。
FXは己との勝負である!(北海道大学 上田晃史さん)
◆ 振り返り 7月12日(月)~7月16日(金)
2021年7月12日週の結果は、マイナス5200円となりました。そして最終残高は119万8978円という成績です。今週は忙しく、あまりトレードに参加することができませんでした。そのため決済は2回のみにとどまっています。保有時間も短く、ファンダメンタル的な視点での取引はありませんでした。
どちらもボリンジャーバンドとMACD(Moving Average Convergence Divergence=移動平均収束拡散手法)となんとなくの感覚に頼った取引でした。2万140円の損失を出したトレードについては21時30分に米国の6月の消費者物価指数が発表された瞬間にスプレッドがめちゃくちゃ大きくなって図らずとも決済されてしまいました。
もう少しOCO取引(One Cancels the Other=2つの注文を同時に発注し、片方の注文が約定するともう片方が自動的にキャンセルになる注文方法)に余裕を持たせていたら、その後下がったため利益を確定することができたはずでした。シナリオの方向性が結果的に合っていたことは褒めるべき点ですが、今度からは利益をみすみす見逃さないようイベントの時は(予想に自信がないので)ポジションを、それまでに決済しておくか、そもそも持たないようにしていくつもりです。
最近Twitterか何かで見たのですが「エントリーする時にチャートを逆さにして見てみる」ということを心がけています。一方の視点だけでは自分のなんとなくの気持ちでこれはロング(買い)だろう・ショート(売り)だろうと、先に考えそれに都合の良い情報を収集してしまいます。
これは損切りの時も同じで「損切りラインだけどこれは一時的な下げでいつかは戻るだろう。ほらこのテクニカル指標的にも...」という感じです。しかしながら、逆さにしてチャートを見ると意外にも自分の予想の根拠の弱さに気付け、適切なタイミングでもないのにただ単にトレードをしたいという欲を抑えることができます。
ここまでやってきて感じることは、FXはどこまでも己との勝負なのだなと。FXは全体で見たらゼロサム(あるいは手数料を考えればマイナスサム)なゲームであることは間違いないのですが、それでも自分の弱さを知り高い期待値のタイミングでエントリーすることで勝ち続けている人がいることもまた事実です。
FXなんてと考えていましたが、自分の精神の修行と考えると本当に良いものだと思います。パチプロの人たちも回転数の高い台を打ち続けることで利益を出していることを考えれば、案外似ているのかもしれません。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
「チャートを逆さに見る」はとても良い発想ですね。つまり、逆の取引やポジションを持っていたら同じ判断をするのかという、自信の戦略を見直す視点となります。
ポジションを保有すると、どうしても偏った見方になってしまいます。たいだい、大損してポジションを切るかどうか迷った際には、ここから同じ方向にエントリーするかどうか考えると、そんなことは無いと思い躊躇なく損切りすることができます。この考え方は、投資を10年以上の経験した筆者が分析力や取引手法よりも有効だと感じています。
前週からの損益 マイナス5200円
7月16日現在 119万8978円
大阪府出身。
久しぶりのトライ!ポンド円で勝負(慶応義塾大学 トリオネア)
しばらく大学のテスト期間に入ったこともあって、全然相場に触れるタイミングがなかった。検証もそこまで進まなかったが、学業のほうも落ち着いてきたので、相場検証などと合わせて進めていこうと思う!
7月15日(木)
ポンド円でここ数か月の最高値を基準に下の図1のようにピンクの形で簡単に認識してみた。そうしてみたところ、オレンジのライン付近から丁度下に行く可能性が高い形に見えたので、どこで「売り」で入るかを考えていた。もし、ここから下に下がるようなら、直近の安値割れは見込めると考えた。
夕方ごろ、75EMA(指数平滑移動平均線)より上にロウソクが飛び出て来たので、ちょうど青チャネルの半値付近でもあったので1ポンド=152.772円で、売りで入った。
7月16日(金)
きょう、すんなり下がってくれるとありがたいと思っていたのだが、結果的にはEMAを軸にして上下に振られる形になった。こういった場面でただ損切り位置を決めておくのではなく、どういったタイミングで上下に激しく動いていきやすいのかを計ってみたりもしていきたいと思う。
とりあえずの対策として、直近高値より上に損切りラインを置くことで凌いでいるが、動き出すタイミングがわかれば、さらにスムーズにトレードできるようになると思われる。
結局、金曜日で直近最安値更新とはならなかったの、週をまたいでの持ち越しが確定する形となった。数週間ぶりの復帰戦にしては損切りが無かったので、まずまずのスタートをきれたと思う。
今週の損益は、プラス・マイナスゼロ。持ち越しポジションあり。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
週明けのポンドは大きく下落し、150円割れとなりました。これには、18日に行われたOPECプラスで協調減産の段階的な縮小で合意したことが背景にあるのではないでしょうか。
これはサプライズだったために、株価の下落も恐らく関係してそうです。原油価格が急落したために、株やポンドの売りが進み円高にになり日本株も下がり、世界的に株安が進んだのでしょう。原油の急な値動きは、方向に関係なく相場を崩すことが多くなっています。しかし、初動が一番動くため株の戻りは早く、ポンドも安値から2円ほど反発する動きとなっています。
ドル円の頭が重く、152円付近が重くなっているため、ここを抜けるかどうかがテクニカル的な焦点となりそうです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月16日現在 99万615円
米ドル、短期的な上昇狙いが......(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週(7月12日週)の相場
7月13日(火)に米国消費者物価指数発表、14日(水)にはニュージーランドのRBNZ(NZ準備銀行=中央銀行)政策金利発表、カナダのBOC(カナダ中央銀行)政策金利発表、16日(金)には日本銀行が政策金利発表、米国小売売上高の発表がありました。
ニュージーランドの政策金利は、0.25%と据え置き、2020年3月から変わらない結果となりました。7月14日11時から12時の1時間足では、NZD/JPY(NZドル円)は始値1NZドル=77.012円、終値77.480円と大きめの陽線をつけましたが、その後は伸びることもなく77円前後を方向感なく動いています。
カナダの政策金利は、ニュージーランドと同じく、0.25%での据え置きとなりました。7月14日23時から24時の1時間足では、実体は20pips程度に収まったものの、最高値は1カナダドル=88.556円、最低値は87.890円とひげの長い足を形成し、短期的に7月9日から三尊を形成したこともあってか、その後は週末にかけて下落していきました。
日本の政策金利は、0.1%で据え置きでした。16日に日本銀行が発表した「経済・物価情勢のレポート」は、コロナ禍はワクチン接種の拡大、政策によって徐々に回復しつつある。金融環境は全体的に緩和されており、物価はものによって上下はあるが横バイ状態ということです。また、物価はコロナウイルスの収束にともなって、中長期的には上昇していくと見ています。
◆ 今週のトレード
米ドル円は、7月14日12時あたりで、短期的な上昇トレンドの押し目とみて10lot買いでエントリーしましたが、反転し損切りしました。マイナス1万円。もう二つ前の下落で入るべきだったことと、7月7日、8日あたりで1ドル=110.600~110.800円あたりが意識されていることを見逃してエントリーしてしまったことが良くなかったかと思います。
今週はこの1回のみで、マイナス1万円となりました。
◆ 来週(7月19日週)の戦略
7月21日(水)に、ECB(欧州中央銀行)の政策金利発表があるものの、米国の発表は特に大きなものはなく、また日本は22日から連休に入るため、今週大きく利益を取るよりかは、次週のことを考えて慎重にエントリーしていこうと思います。
ユーロ円は8日、16日と1ユーロ=129.600円あたりをタッチしているため、買いでのエントリーを基本に考えています。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ニュージーランドの重要な材料が抜けていたため、コメントしておきます。中央銀行は、資産購入プログラム(LSAP)として毎月1000億NZドル(約8兆円弱)の買入れを進めていました。しかし、これを7月23日(金)で終了すると発表しました。減額(テーパリング)ではなく、終了です。これはサプライズとなりました。
住宅価格の上昇が止まらず、3月に発表した住宅価格抑制策の効果が出ていないようです。市場予想は年内の利上げであり、その可能性が現実味を帯びてきたといえる出来事でした。
前週からの損益 マイナス1万円 7月9日現在 115万4632円
勝っても喜べないワケ(専修大学 めがねちゃん)
こんにちは、めがねちゃんです!
先週(7月5日週)は押し戻りの位置や利益確定、損切りについて書きましたが、今週(12日週)もそれらの内容を模索している状態です。
通貨や値動き自体のクセがあまりわかっていないので、成績には反映されないけれど、他の通貨ペアなどもいじっていました。他の通貨ペアをエントリーしていた際に、方向感のみでエントリーしていましたが、方向感のみでは漠然とした自分の感覚のみが根拠になってしまい、「あれ? もっと伸びるはずなのに」「思ったよりも戻りが深いな」など、意に反したときに動けず、結果としてプラスだったとしてもすごく悔しい気持ちになりました。
何通りかシナリオを持っておくこと、それを踏まえて利確損切を考えてエントリーすること、そして方向性とは別にエントリーするための監視足が必要だと思いました。
これだけトレードが下手くそなのがとても悔しく、改善策を考えたのですが、うまくなるためにはまず自分の弱点を見つけて直さなければなりません。どうやって弱点を見つけるかと言ったらトレードをして悔しい思いをして向き合っていくのが早いのかと思いました。
トレードにはスキャルピング、デイトレード、スイングといったさまざまな種類がありますが、それぞれ見方や考え方が違うので、すべてをやってみようかなと思います。また、あまりチャートを使いこなせておらず、アラームのかけ方がわからないので、頻繁にチャートを見て取りこぼさないようにしたいです。
来週はトレードする回数を増やすことを前提として、増やすうえで立ち回り方に気をつけたいです。
今週はEUR/JPY(ユーロ円)を利益確定しました。1ユーロ=130.564円から130.104円なので、プラス46pips(1pips=0.01円)。先週からの損益は116万6585円です。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
誰でもすぐに上達することはありませんので、焦らずご自身のペースで取引されると良いと思います。そして、個人投資家の最大の利点としては好きな時に取引できることです。つまり、苦手な相場は取引せずに、好きな時だけ=自分の得意な時だけ取引すれば良いのです。
そのため、弱点を把握したら克服ではなく、切り捨てるという選択肢でも良いわけです。いろいろと検証し、「好み」と「強み」が一致する取引を探し当てられると、取引の上達とパフォーマンスの向上につながるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス1953円
7月16日現在 116万6585円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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