米ドル、短期的な上昇狙いが......(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週(7月12日週)の相場
7月13日(火)に米国消費者物価指数発表、14日(水)にはニュージーランドのRBNZ(NZ準備銀行=中央銀行)政策金利発表、カナダのBOC(カナダ中央銀行)政策金利発表、16日(金)には日本銀行が政策金利発表、米国小売売上高の発表がありました。
ニュージーランドの政策金利は、0.25%と据え置き、2020年3月から変わらない結果となりました。7月14日11時から12時の1時間足では、NZD/JPY(NZドル円)は始値1NZドル=77.012円、終値77.480円と大きめの陽線をつけましたが、その後は伸びることもなく77円前後を方向感なく動いています。
カナダの政策金利は、ニュージーランドと同じく、0.25%での据え置きとなりました。7月14日23時から24時の1時間足では、実体は20pips程度に収まったものの、最高値は1カナダドル=88.556円、最低値は87.890円とひげの長い足を形成し、短期的に7月9日から三尊を形成したこともあってか、その後は週末にかけて下落していきました。
日本の政策金利は、0.1%で据え置きでした。16日に日本銀行が発表した「経済・物価情勢のレポート」は、コロナ禍はワクチン接種の拡大、政策によって徐々に回復しつつある。金融環境は全体的に緩和されており、物価はものによって上下はあるが横バイ状態ということです。また、物価はコロナウイルスの収束にともなって、中長期的には上昇していくと見ています。
◆ 今週のトレード
米ドル円は、7月14日12時あたりで、短期的な上昇トレンドの押し目とみて10lot買いでエントリーしましたが、反転し損切りしました。マイナス1万円。もう二つ前の下落で入るべきだったことと、7月7日、8日あたりで1ドル=110.600~110.800円あたりが意識されていることを見逃してエントリーしてしまったことが良くなかったかと思います。
今週はこの1回のみで、マイナス1万円となりました。
◆ 来週(7月19日週)の戦略
7月21日(水)に、ECB(欧州中央銀行)の政策金利発表があるものの、米国の発表は特に大きなものはなく、また日本は22日から連休に入るため、今週大きく利益を取るよりかは、次週のことを考えて慎重にエントリーしていこうと思います。
ユーロ円は8日、16日と1ユーロ=129.600円あたりをタッチしているため、買いでのエントリーを基本に考えています。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ニュージーランドの重要な材料が抜けていたため、コメントしておきます。中央銀行は、資産購入プログラム(LSAP)として毎月1000億NZドル(約8兆円弱)の買入れを進めていました。しかし、これを7月23日(金)で終了すると発表しました。減額(テーパリング)ではなく、終了です。これはサプライズとなりました。
住宅価格の上昇が止まらず、3月に発表した住宅価格抑制策の効果が出ていないようです。市場予想は年内の利上げであり、その可能性が現実味を帯びてきたといえる出来事でした。
前週からの損益 マイナス1万円 7月9日現在 115万4632円