レンジ相場の底値買い、アリかも!?(同志社大学 しがないトレーダー)
◆ 今週の気になったニュース
今週のビットコイン(BTC)は下落の1週間だった。ビットコインは、7月12日の最高値3万4500ドルほどから、16日の最安値3万1000ドルほどまで、約10%の下落を見せた。ビットコインがなぜこれほど下落したのか、説明したいと考える。
下落の始まりは、12日のイギリス決済のソリューションプロバイダー Clear Junctionの暗号資産取引所、バイナンスへのサービス停止を発表したことである。詳しくは、GBP(英ポンド)とEUR(ユーロ)の入出金停止の発表であった。その理由としては、FCA(金融行動監視機構)が、英国でバイナンスが規制されていない取引所だとして注意喚起しているからである。
13日には、市場予想を上回る米国の6月の消費者物価指数(CPI)の上昇が原因であった。消費者物価指数は2008年8月以降、コア指数は1991年9月以降で最も高い伸びとなったことにより、米株先物取引が急落し、それに付随する形でビットコインも下落した。
また、14日も中国の安徽省が暗号通貨のマイニングを全面的に禁止する方針を発表したことにより、3万1500ドル付近まで続落した。
15日には、Wisdom Treeのビットコイン上場投資信託(ETF)の承認判断の延期や、イタリアの証券取引規制当局がバイナンスに対して、国内での運営権限がないと警告を発したことにより3万1000ドル付近まで暴落した。
米SEC(証券取引委員会)は、6月初めにWisdomTreeとCboeが申請するビットコインの上場投資信託に対して、7月に延期すると判断していたが、またもや延期した。
◆ 今週の取引
依然として、ビットコインはレンジ相場であるので、取引をしていない。しかし、このレンジ相場がずうっと続くようであるなら、レンジの底値で買うのもアリなのではないかと思う。現在は悪材料ばかりであるが、好材料が出た場合、スイングで買うことを視野に入れている。
◆ 今後の考察
私が一番注目しているニュースは、バイナンスが複数国の当局から受けている警告である。バイナンスは直近、6か国で無登録による運営などで警告を受けており、取引所の危機とも言える状態である。これらの規制は、今後も厳しくなると予想しており、それによる暗号通貨全体の下落も考えられる。
好材料として期待しているのは、イーサリアム(ETH)の大型アップデートである。ガス代の削減や供給面への変化による価格上昇を期待している。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
バイナンスはかつてないほどの規制を受けており、少し前まで売買代金のシェアが20%近くあったものが10%ほどにまで低下しました。相場の低迷もあり、バイナンスから他の交換業者に移動させずに現金化しているようで、売買代金は先細りとなっています。2019年以降の相場を振り返ってみると、相場の低迷期は3か月ほどでした。そのため、8月末までは厳しい状況が続くかもしれません。しかし、8月末からビットコインETFの承認可否の判断を決める日が続いています。ビットコインETFのカナダ上場やカストディアンの増加、取引所や法律面の整備やビットコインの資産性の向上などの観点から、今年は承認される可能性が非常に高いと感じています。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月16日現在 1万円
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・元本は1万円です。
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