営業の「5つのステップ」を深堀り 「カットイン」「ヒアリング」をモノにする!(大関暁夫)

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メールによる情報提供は相手を「色分け」する

   そこでオンライン営業では、リアル面談以外の方法で「カットイン」活動を行ない、営業活動量を補う必要が出てくるのです。その最もポピュラーな手段が、メールによる情報提供です。

   メールでの情報提供は、相手によって当然色分けをする必要があります。たとえば、既存取引のある親密先であるならば定期的に相手の役に立つような情報をオーダーメイドで送付する必要があるでしょう。

   過去に取引はあったものの、現在は解消している先やまったくの新規先に対しては自社の業界情報を中心としてさまざまな情報を提供し、最新のIT技術を活用して開封の有無を確認したり、自社のホームページへのリンクを貼ることによってクリックの有無やホームページでの滞在状況を追いかけたりするなどして関心の度合いを測り、次なるステップに進むか否かの判断を下すことになります。

   いずれにしても、相手のニーズ度合いも把握せずに、メールで自社の商品やサービスのセールス情報ばかりを送り続けるのは愚の骨頂です。早晩、未開封のまま廃棄されたり着信を拒否されたりする憂き目に会うのは確実です。

   次のステップ、「ヒアリング」はリアルでもオンラインでも、「カットイン」効果による相手のガードが下がった段階で行なわれなければ意味がありません。リアルにおいては、相手の受け答えの変化を見極めつつ「ヒアリング」に移行することが可能ですが、オンラインの場合には「ヒアリング」移行の見極めと取るべき対応姿勢が難しいのです。

   メールが開封されホームページに来ているからと言って、いきなりメールでの質問攻勢に転じたり直接電話ヒアリングをかけたりするのは時期尚早。自社WEBセミナーへの誘導やアンケート調査への協力依頼をかけて、自然な形で双方向コミュニケーションに持ち込むことが肝要です(この具体的な実施方法については、次回事例をまじえてカレンの藤崎健一社長からお話しいただきます)

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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