おみやげ配りは女性? 力仕事は男性!? 一人ひとりの持ち味を活かした仕事を任せるには?〈後編〉(前川孝雄)

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ハラスメント予防の心構え(あり方を定める)

(1)性差に依らない個性と持ち味を見極める
まず上司自らが、性別役割分担意識を克服し、払拭することが第一です。すなわち、性差のメガネで部下を見るのではなく、部下一人ひとりの関心や意欲や強みなどを、偏見なく見ることです。
ただ長年培ってきた仕事観がある人ほど、一朝一夕に自己改革することは難しいかもしれません。だから日常的に面談などで、部下の考えや気持ちを本人に寄り添って聴き取り理解する習慣をつくり、感性を磨くことです。部下を支援する力の基礎となる、傾聴と共感の力の鍛錬が求められるのです。

(2)多様なメンバーが互いに尊重し合える風土をつくる
経営者や管理職には自らの言動を律することはもちろん、セクハラのない職場環境づくりに取り組む責務があります。セクハラ予防の基本方針の策定や、相談体制の整備も必要ですが、それにも増して大切なのは、メンバーどうしが男女の別なく互いに尊重し合える職場風土づくりです。
上司は、チーム会議などで全員の発言を促し、一人ひとりの疑問や意見や提案を尊重し、意見交換や連携・協力を促進しましょう。会議の進行役をメンバーに交代で任せてもいいでしょう。チームの一体感や互いを尊重する雰囲気を上司が率先してつくり出す、ダイバーシティ(多様性)マネジメントを推進するのです。

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