「仕事の効率が下がった」「満足感がない」
こんななか、日本生産性本部が7月16日、在宅勤務の効率や満足度が落ちてきて、「テレワーク疲れ」を感じる人が増えているとする「働く人の意識調査(第6回) ポストコロナの社会・経済変化に懐疑的、コロナ以前に回帰か『テレワーク疲れ』に注視を」を発表した。
それによると、テレワーク実施率は20.4%で、前回調査(今年4月)の19.2%に比べるとほぼ横バイだった。しかし、最近1週間の出勤日数が「0日」(完全テレワーカー)だった割合は11.6%と、前回調査(18.5%)から約7ポイントも減少し、昨年5月の調査開始以来最少となった。
一方、3日以上出勤する人の割合は57.6%で、前回の48.8%より約9ポイントも増加した=グラフ1参照。政府は、東京都への緊急事態宣言の発令に伴い在宅強化を求めているが、むしろ在宅ワークをする人が減っているという結果になった。
在宅勤務で、効率が「上がった」と答えた人も前回の15.5%から13.4%に初めて低下した。逆に「下がった」と答えた人は8.3%から13.4%に増えた=グラフ2参照。在宅勤務の「満足度」についても、満足している人の割合は「どちらかと言えば満足」を含めても75.7%から70.2%に低下した。
テレワーク中に不安なことを聞くと(複数回答)、「仕事の成果が適切に評価されるか不安」(31.3%)、「仕事ぶり(プロセス)が適切に評価されるか不安」(24.1%)、「オフィスで勤務する者との評価の公平性」(21.9%)と、人事評価の項目が上位に挙がった。
また最後に、「コロナ禍収束後でもテレワークを行いたいか」と聞くと、「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」を合わせてテレワークを望む割合は74.1%となり、前回調査の76.8%より少し減った。
こうした結果について、日本生産性本部は、
「早い企業では昨年(2020年)1月からテレワークを実施しており、長い人では約1年半 にわたってテレワークを行っていることになる。これだけテレワークが長期化すると、労務管理の課題が重要になってくる。テレワーク実施率は変わらず2割程度で推移しているが、テレワーカーの週当たり出勤日数は増えてオフィス回帰が進んでいる。『テレワーク疲れ』を注視する必要がある」
と、分析している。
なお調査は、1都3県などで新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあった7月5日~6日、20歳以上の企業・団体に雇用されている人1100人を対象に、インターネットを通じて行った。